力学 物理

剛体のまとめ【学習ロードマップ】

羽白 いむ

東京大学医学部医学科卒 現役医師
東大指導専門塾鉄緑会 物理・数学科元講師
物理基礎のトリセツ著者
数学のトリセツ共著者

「剛体」と聞くだけで身構える受験生が多い単元ですが,使う道具は「力のつり合い」と「力のモーメントのつり合い」の2つだけ。型さえ身につければ,むしろ安定して得点できるテーマです。2026年の東大物理でも第1問で出題されました。

このページは,当サイトの剛体シリーズを学習順に整理したまとめページです。6記事+要点整理で,剛体の問題を体系的にマスターできます。

剛体マスターへの6ステップ

Step1 力のモーメントを定義する

剛体を回転させる能力「力のモーメント」の定義から。うでの長さの取り方をここで正確に理解します。

剛体と力のモーメント
剛体と力のモーメント
目次1 質点と剛体2 剛体の運動3 力のモーメント 質点と剛体 剛体と質点 これまで様々な物体の運動を扱ってきましたが,どれも物体の大きさは「ないもの」として考えていました。 あたかも大きさがあるかの ...
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Step2 モーメントの扱いに慣れる

モーメントの計算テクニックを固めます。力を分解するか,うでの長さを工夫するかの使い分けがポイントです。

力のモーメントの扱い
力のモーメントの扱い
目次1 作用線2 具体的な練習 作用線 作用線とは 力の作用点から,力の向きに引いた直線を作用線といいます。 剛体に作用する力を考えるとき,この作用線上で力を平行移動させても力の効果は変わらないことが ...
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Step3 剛体の静止条件を立てる

「力のつり合い+モーメントのつり合い」という剛体の静止条件を,立式の手順として身につけます。

剛体の静止条件
剛体の静止条件
目次1 剛体が静止する条件2 力のモーメントのつり合い 剛体が静止する条件 並進運動について 剛体の運動は2種類ありましたが,静止しているということはどちらの運動も行いません。 並進運動に関しては,「 ...
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Step4 力の合成を理解する

剛体に働く複数の力を1つにまとめる考え方です。平行な力の合成と作用点の求め方を扱います。

剛体に作用する力の合成
剛体に作用する力の合成
目次1 力の合成について2 平行な2力の合成3 平行で逆向きの2力の合成4 偶力 力の合成について 質点との違い 物理基礎で力の合成について学習しました。質点は大きさを考えないため,力の作用点も必ず質 ...
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Step5 重心を求める

重心の定義と求め方。複雑な形状の重心も,分割して考えれば求められるようになります。

重心
重心
目次1 剛体の重心2 2物体の重心3 剛体の重心の求め方 剛体の重心 重心とは これまでに扱ってきた質点の力の作用図では,重力は「鉛直下向きに $mg$」とすんなりかくことができましたが,剛体の場合は ...
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Step6 倒れる・倒れないを判定する

剛体の総仕上げ。「滑るのが先か,倒れるのが先か」という頻出問題の判定法をマスターします。

倒れる・倒れないを考える問題
倒れる・倒れないを考える問題
倒れる・倒れないについて 条件の考え方 大きさのある剛体の静止条件を考える際には,剛体が回転する(倒れる)条件を考える必要があります。 「滑る・滑らないを考える問題」と同様に,まずは「倒れないと仮定す ...
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剛体の要点まとめ

力のモーメント

回転軸から力の作用線までの距離(うでの長さ)$\ell$ を用いて,$M=F\ell$ で定義されます。力の矢印の始点までの距離ではない点に注意してください。

剛体の静止条件

  1. 力のつり合い(並進しない)
  2. 任意の点まわりの力のモーメントのつり合い(回転しない)

モーメントの中心はどこに取ってもokです。未知の力が集まる点に取ると,その力のモーメントが $0$ になって計算が楽になります。

倒れる・倒れないの判定

垂直抗力の作用点は底面の範囲内にしか存在できません。作用点が底面の端に達したときが「倒れる直前」です。「滑り出す条件」と「倒れ始める条件」をそれぞれ求めて比較するのが定石です。

よくあるつまずきポイント

Q1. モーメントの中心はどこに取ればいい?
A. 静止している剛体ならどこでもokです。迷ったら「未知の力の作用点」に取りましょう。式から未知数が消えて,計算が一気に楽になります。

Q2. うでの長さの取り方を間違えます…
A. 「回転軸から力の作用線に下ろした垂線の長さ」です。斜めの力は,力を分解してそれぞれのモーメントを足す方法でも構いません。自分の得意な方で統一しましょう。

Q3. 滑るか倒れるかはどう判定する?
A. 「滑り出す直前」と「倒れ始める直前」の条件をそれぞれ式にして,どちらが先に成立するかを比較します。摩擦係数や形状によって答えが変わるのが面白いところです。

さらに演習を積みたい人へ

剛体は,東大をはじめとする難関大入試の頻出テーマです。基本をマスターしたら,過去問ベースの問題集で仕上げの演習を積みましょう。

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