「剛体」と聞くだけで身構える受験生が多い単元ですが,使う道具は「力のつり合い」と「力のモーメントのつり合い」の2つだけ。型さえ身につければ,むしろ安定して得点できるテーマです。2026年の東大物理でも第1問で出題されました。
このページは,当サイトの剛体シリーズを学習順に整理したまとめページです。6記事+要点整理で,剛体の問題を体系的にマスターできます。
剛体マスターへの6ステップ
Step1 力のモーメントを定義する
剛体を回転させる能力「力のモーメント」の定義から。うでの長さの取り方をここで正確に理解します。
Step2 モーメントの扱いに慣れる
モーメントの計算テクニックを固めます。力を分解するか,うでの長さを工夫するかの使い分けがポイントです。
Step3 剛体の静止条件を立てる
「力のつり合い+モーメントのつり合い」という剛体の静止条件を,立式の手順として身につけます。
Step4 力の合成を理解する
剛体に働く複数の力を1つにまとめる考え方です。平行な力の合成と作用点の求め方を扱います。
Step5 重心を求める
重心の定義と求め方。複雑な形状の重心も,分割して考えれば求められるようになります。
Step6 倒れる・倒れないを判定する
剛体の総仕上げ。「滑るのが先か,倒れるのが先か」という頻出問題の判定法をマスターします。
剛体の要点まとめ
力のモーメント
回転軸から力の作用線までの距離(うでの長さ)$\ell$ を用いて,$M=F\ell$ で定義されます。力の矢印の始点までの距離ではない点に注意してください。
剛体の静止条件
- 力のつり合い(並進しない)
- 任意の点まわりの力のモーメントのつり合い(回転しない)
モーメントの中心はどこに取ってもokです。未知の力が集まる点に取ると,その力のモーメントが $0$ になって計算が楽になります。
倒れる・倒れないの判定
垂直抗力の作用点は底面の範囲内にしか存在できません。作用点が底面の端に達したときが「倒れる直前」です。「滑り出す条件」と「倒れ始める条件」をそれぞれ求めて比較するのが定石です。
よくあるつまずきポイント
Q1. モーメントの中心はどこに取ればいい?
A. 静止している剛体ならどこでもokです。迷ったら「未知の力の作用点」に取りましょう。式から未知数が消えて,計算が一気に楽になります。
Q2. うでの長さの取り方を間違えます…
A. 「回転軸から力の作用線に下ろした垂線の長さ」です。斜めの力は,力を分解してそれぞれのモーメントを足す方法でも構いません。自分の得意な方で統一しましょう。
Q3. 滑るか倒れるかはどう判定する?
A. 「滑り出す直前」と「倒れ始める直前」の条件をそれぞれ式にして,どちらが先に成立するかを比較します。摩擦係数や形状によって答えが変わるのが面白いところです。
さらに演習を積みたい人へ
剛体は,東大をはじめとする難関大入試の頻出テーマです。基本をマスターしたら,過去問ベースの問題集で仕上げの演習を積みましょう。

