「運動量保存則」と「衝突」は,力学の中でも特に入試で問われやすいテーマです。エネルギー保存則との使い分けや,反発係数の式の符号など,つまずきポイントも多い単元です。
このページは,当サイトの運動量・衝突シリーズを学習順に整理したまとめページです。上から順に読み進めれば,運動量保存則の基本から衝突問題の解法まで体系的にマスターできます。すでに学習済みの人は,要点の確認やつまずきポイントのチェックにご活用ください!
運動量・衝突マスターへの4ステップ
Step1 運動量保存則の基本をつかむ
まずは運動量と力積の関係から。「運動量保存則がどんなときに成り立つのか」という成立条件の理解が,この単元すべての土台になります。
Step2 2体問題に適用する
2つの物体が力を及ぼし合いながら運動する「2体問題」は,運動量保存則の代表的な応用先です。考え方の型をここで身につけます。
Step3 2物体の衝突を解く
ここが本単元の核心です。「運動量保存則」と「反発係数の式」を連立する衝突問題の解法テンプレートをマスターします。
Step4 壁との衝突を整理する
壁や床との衝突では,反発係数の扱い方が2物体の衝突と少し変わります。速度の成分分解とあわせて確認して,衝突問題を完成させましょう。
運動量・衝突の要点まとめ
各記事の要点をぎゅっと凝縮しました。学習後の総チェックにどうぞ。
運動量と力積
運動量は $p=mv$,力積は $F\varDelta t$ で定義され,「物体が受けた力積の分だけ運動量が変化する」という関係($m\vec{v\mskip 1mu\prime }-m\vec{v}=\vec{F}\varDelta t$)が成り立ちます。
運動量保存則の成立条件
系の外から働く力(外力)が無視できるとき,系全体の運動量の和は保存されます。衝突や分裂では物体間で及ぼし合う力(内力)が支配的なので,運動量保存則が使えます。
反発係数
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 定義 | $e=$(衝突後に遠ざかる速さ)÷(衝突前に近づく速さ) |
| 値の範囲 | $0\leqq e\leqq 1$ |
| $e=1$(弾性衝突) | 力学的エネルギーが保存される |
| $e<1$(非弾性衝突) | 運動エネルギーの一部が失われる |
衝突問題の解法テンプレート
- 速度の正の向きを決めて,衝突前後の速度を図で整理する
- 運動量保存則を立式する
- 反発係数の式を立式する
- 2式を連立して衝突後の速度を求める
よくあるつまずきポイント
Q1. 運動量保存則はいつでも使える?
A. 「外力が無視できる」ことが条件です。衝突の瞬間は物体同士が及ぼし合う力(撃力)が重力などよりはるかに大きいため,水平方向の衝突では安心して使えます。
Q2. 反発係数の式で符号をミスしてしまう…
A. 「(衝突後に遠ざかる速さ)÷(衝突前に近づく速さ)」で覚えましょう。文字式で立式するときは,必ず速度の正の向きを決めてから,符号に注意して代入します。
Q3. 衝突でエネルギー保存則は使える?
A. 力学的エネルギーが保存されるのは $e=1$(弾性衝突)のときだけです。$e<1$ の衝突では運動エネルギーの一部が失われるため,安易にエネルギー保存則を立式してはいけません。
さらに演習を積みたい人へ
運動量保存則と衝突は,東大をはじめとする難関大入試の頻出テーマです。基本をマスターしたら,過去問ベースの問題集で仕上げの演習を積みましょう。

