力学 物理

運動量保存則と衝突のまとめ【学習ロードマップ】

羽白 いむ

東京大学医学部医学科卒 現役医師
東大指導専門塾鉄緑会 物理・数学科元講師
物理基礎のトリセツ著者
数学のトリセツ共著者

「運動量保存則」と「衝突」は,力学の中でも特に入試で問われやすいテーマです。エネルギー保存則との使い分けや,反発係数の式の符号など,つまずきポイントも多い単元です。

このページは,当サイトの運動量・衝突シリーズを学習順に整理したまとめページです。上から順に読み進めれば,運動量保存則の基本から衝突問題の解法まで体系的にマスターできます。すでに学習済みの人は,要点の確認やつまずきポイントのチェックにご活用ください!

運動量・衝突マスターへの4ステップ

Step1 運動量保存則の基本をつかむ

まずは運動量と力積の関係から。「運動量保存則がどんなときに成り立つのか」という成立条件の理解が,この単元すべての土台になります。

運動量保存則
運動量保存則
目次1 2物体の衝突2 運動量が保存する条件3 運動量保存則を考える状況4 平面運動における運動量保存則 2物体の衝突 衝突の考え方 直線上で2物体が衝突する状況を考えてみましょう。 運動方程式を立て ...
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Step2 2体問題に適用する

2つの物体が力を及ぼし合いながら運動する「2体問題」は,運動量保存則の代表的な応用先です。考え方の型をここで身につけます。

運動量保存則と2体問題
運動量保存則と2体問題
目次1 衝突,分裂,合体以外2 2体問題における仕事の扱い 衝突,分裂,合体以外 「衝突・分裂・合体では運動量保存則!」という魔法の言葉がありました。 しかし,衝突・分裂・合体以外の状況では運動量保存 ...
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Step3 2物体の衝突を解く

ここが本単元の核心です。「運動量保存則」と「反発係数の式」を連立する衝突問題の解法テンプレートをマスターします。

2物体の衝突と反発係数
2物体の衝突と反発係数
目次1 衝突についてもう少し2 衝突とエネルギー 衝突についてもう少し 2物体の衝突 「衝突・分裂・合体を見たら運動量保存則を立てる!」という定石は身につきましたか…? 2物体が正面衝突する状況を考え ...
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Step4 壁との衝突を整理する

壁や床との衝突では,反発係数の扱い方が2物体の衝突と少し変わります。速度の成分分解とあわせて確認して,衝突問題を完成させましょう。

壁との衝突における反発係数
壁との衝突における反発係数
目次1 壁・床との衝突における反発係数2 壁・床との斜め衝突における反発係数 壁・床との衝突における反発係数 物体が壁や床に対して衝突する際にも反発係数を考えることができます。 考え方は2物体の場合と ...
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運動量・衝突の要点まとめ

各記事の要点をぎゅっと凝縮しました。学習後の総チェックにどうぞ。

運動量と力積

運動量は $p=mv$,力積は $F\varDelta t$ で定義され,「物体が受けた力積の分だけ運動量が変化する」という関係($m\vec{v\mskip 1mu\prime }-m\vec{v}=\vec{F}\varDelta t$)が成り立ちます。

運動量保存則の成立条件

系の外から働く力(外力)が無視できるとき,系全体の運動量の和は保存されます。衝突や分裂では物体間で及ぼし合う力(内力)が支配的なので,運動量保存則が使えます。

反発係数

項目内容
定義$e=$(衝突後に遠ざかる速さ)÷(衝突前に近づく速さ)
値の範囲$0\leqq e\leqq 1$
$e=1$(弾性衝突)力学的エネルギーが保存される
$e<1$(非弾性衝突)運動エネルギーの一部が失われる

衝突問題の解法テンプレート

  1. 速度の正の向きを決めて,衝突前後の速度を図で整理する
  2. 運動量保存則を立式する
  3. 反発係数の式を立式する
  4. 2式を連立して衝突後の速度を求める

よくあるつまずきポイント

Q1. 運動量保存則はいつでも使える?
A. 「外力が無視できる」ことが条件です。衝突の瞬間は物体同士が及ぼし合う力(撃力)が重力などよりはるかに大きいため,水平方向の衝突では安心して使えます。

Q2. 反発係数の式で符号をミスしてしまう…
A. 「(衝突後に遠ざかる速さ)÷(衝突前に近づく速さ)」で覚えましょう。文字式で立式するときは,必ず速度の正の向きを決めてから,符号に注意して代入します。

Q3. 衝突でエネルギー保存則は使える?
A. 力学的エネルギーが保存されるのは $e=1$(弾性衝突)のときだけです。$e<1$ の衝突では運動エネルギーの一部が失われるため,安易にエネルギー保存則を立式してはいけません。

さらに演習を積みたい人へ

運動量保存則と衝突は,東大をはじめとする難関大入試の頻出テーマです。基本をマスターしたら,過去問ベースの問題集で仕上げの演習を積みましょう。

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