$\rmX$ 線の干渉
電磁波なので!
$\rmX$ 線は電磁波ですので,可視光と同じように干渉します。

この $\rmX$ 線の干渉について考えてみましょう。
$\rmX$ 線を用いてヤングの実験を行ったとしましょう。強め合いの条件は,
$$d\mskip 6mu\bun{x}{L}\mskip 5mu=m\lambda$$
でしたね。
$\rmX$ 線の波長は可視光の $10^{-3}$ 倍程度ですので,複スリットのスリット間隔 $d$ を $10^{-3}$ 倍にすれば同じ結果が得られます!

……と,言うのは簡単なのですが,実際にそれってできますか…?
そもそもヤングの実験のスリット間隔 $d$ が $0.1\punit{mm}$ 程度くらいです。
それの $10^{-3}$ 倍のスリットを作るなんてそんな簡単な話ではありません。

可視光のヤングの実験とはスケールが違いすぎて,同じように扱うことはできないのです。
結晶を使う
そこで注目したのが,原子が等間隔に並んだ「結晶」です。
$\rmX$ 線の波長は,一般的な結晶の原子同士の間隔(格子定数)とおおよそ等しいので,これを回折格子のように使うことで $\rmX$ 線を干渉させることができるのです!
実際の干渉
規則正しく原子が配列した,格子定数が $d$ である結晶に $\rmX$ 線を入射する状況について考えてみましょう。
図のように,原子面に対して $\theta$ の角度で電子線を入射したとき,2つの光の光路差 $\varDelta D$ は図の色を付した部分になります。
直角三角形に注目することで,
$$\varDelta D=2d\sin\theta$$
であることがわかりますね。
これより,強め合いの条件は $m$ を自然数として,
$$2d\sin\theta=m\lambda$$
と表せることがわかります。この式をブラッグの条件と呼びます。
ブラッグの条件
格子定数が $d$ の結晶を用いて $\rmX$ 線を干渉させるとき,原子面に対する入射角を $\theta$ とすると,強め合いの条件式は自然数 $m$ を用いて,
$$2d\sin\theta=m\lambda$$
と表される。
格子定数を求めるときに有用!
波長 $\lambda$ がわかっている $\rmX$ 線を用いて実験を行い,強め合いが起こる $\theta$ について調べることで,結晶の格子定数 $d$ を求めることができます。
このように,$\rmX$ 線は目に見えないほど小さい物質の構造を調べる際に有用であり,DNAの立体構造の解明にも利用されました。
電子線の干渉
電子線の干渉
電子は物質波として「波動」の性質も持つという話をしました。ということは,$\rmX$ 線と同じように干渉するはずですね。
実際に,結晶に電子線を照射する実験を行うと,干渉が観測されます。
このことから,実験的に物質波の存在が確かめられたのです。

「電子が波として干渉する」って考えにくい!けど,実際に干渉するのです!