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波動 物理基礎

波とは

羽白 いむ

東京大学医学部医学科卒 現役医師
数学のトリセツ共著者
東大指導専門塾鉄緑会 物理・数学科元講師

波とは

「波」といわれて皆さんは何を想像しますか?

生徒

最も身近で一般的な「波」といわれるとやはり海の波でしょうか。

水平線の遠くから海岸に向かって,高さのある水面が「波」として進んできますよね。

水面に石などを落とした際に,その点を中心に円形にまわりに広がっていくような「波」もあります。

あまり「波」としては意識しないかもしれませんが,声などの「音」や太陽光などの「光」も波の一種ですし,さらには通信技術にも「電磁波」としての波が利用されています。

羽白

この章では,そのような波の性質について学んでいきます。

波動の基本

物理学では,波のことを波動と表現します。

波には必ずその波を伝えている物質が存在し,その物質のことを媒質と呼びます。

海の波であれば,水が媒質になりますし,音波については空気中の気体分子が媒質になります。

電磁波(光)は例外的に媒質を持たない。そのため,物質が全く存在しない真空中も伝わることができる。一方,媒質が存在する音波などの波動は真空中を伝わることができない。

さて,海の波などの波動がどのような仕組みで発生し,伝わっているのかを考えてみましょう。

具体例として,スポーツの応援などでよくみられる「ウェーブ」について考えてみます。

媒質になっているものは何でしょう…?

生徒

「このウェーブを形作っているものは何か,伝えているものは何か」と考えてみるとわかりやすいでしょう。

そう,答えは「観客」です。

客席の観客がタイミングよく立ったり座ったりすることによって波が発生し,そしてその波が伝わっていくのです。

ウェーブの作り方

ここで注意してほしいのは,「ウェーブを作るために観客は自分の席で立ったり座ったりしているだけで,横に動いたり走ったりしていない」という点です。

皆さんも実際にスポーツ観戦などでウェーブを作ったことがあるかもしれませんが,その場で動くだけで,決して波と一緒に走ったりしていなかったですよね…?

波を作っている大勢の観客(波の媒質)は,その場で立つ・しゃがむの動作をするだけですが,その動作のタイミングを隣の人と少しだけ上手にずらすことで動いていくように見える波を作り出しているのです。

海の波や音波も同様のことがいえます。海の波については水平線の遥か彼方から波と一緒に水が押し寄せてくるのではなく,海岸付近の水がその場を中心として上下に揺れているだけです。

決して太平洋のど真ん中から,波と一緒に水が移動してきているわけではありません。

音波は空気分子が媒質となっていますが,空気分子はその場その場で振動しているだけです。

より正確には,水面波における水分子の運動は単純な上下運動ではないことが知られている。

それでも媒質である水分子が遠くから移動してくることはなく,その場付近で周期的な運動を繰り返すことで波を形作っている。

このように,媒質がその場で振動することで,遠方に波動の振動を伝えている,という点をしっかりと理解しておきましょう。

媒質の動き

媒質自体は波とともに移動しない。基準の点を中心として,その場で振動している。

パルス波と連続波

羽白

縄跳びに波を作る現象を考えてみましょう。

小さい頃に縄跳びの端をもって紐を揺らし,波を作って遊んだことが誰しもあるのではないでしょうか。

蛇が動くような動きをするアレですね!

生徒

このとき,手を1度だけ動かせば波が1つだけできます。

このように,何回かだけ手を動かしたときにできるような,連続的ではない波をパルス波といいます。

一方,手を動かし続けると縄跳びにはずっと連続的に波が発生します。このような連続的な波を連続波といいます。

なお,このときの手のように,波を発生させている場所(振動を送っている場所)を波源といいます。

先ほどの例のウェーブで考えるのであれば,「何回かだけ立ったり座ったりして発生させた,限りあるウェーブ」がパルス波,「ずっと立ったり座ったりを繰り返して発生させた,球場を何周もするような連続的なウェーブ」が連続波に相当します。

パルス波と連続波

連続的な波を連続波という。一方,連続的ではない波をパルス波という。

-波動, 物理基礎