座標平面とベクトル
座標との関連
ベクトルは「向き」と「大きさ」をもった量です。
ベクトルを座標平面上で考えてみましょう。
原点を $\rmO$ とし,点 $\rmA(1,\,2)$ を座標平面上にとります。このとき $\vec{\rmO\rmA}=(1,\,2)$ と表します。
では,点 $\rmB(2,\,1)$ と点 $\rmC(3,\,3)$ となるとき,$\vec{\rmB\rmC}$ はどうなるでしょうか。図からわかる通り,$\vec{\rmB\rmC}=\vec{\rmO\rmA}$ ですので,$\vec{\rmB\rmC}=(1,\,2)$ となります。
成分を用いた表記
座標平面上で点 $\rmP(x_1,\,y_1)$ があるとき,
$$\vec{\rmO\rmP}=(x_1,\,y_1)=\mat{x_1}{y_1}$$と表します。
このように,ベクトルは成分で表すこともあります。単に $(x_1,\,y_1)$ とだけかかれた場合,それが点の座標を表しているのか,ベクトルを表しているのか判断できないので,ベクトルを成分でかくときには $\begin{pmatrix}x_1\\ y_1\end{pmatrix}$ のような形でかくこともあります。
成分表示の利点
成分表示のよい点は,$x$ 座標と $y$ 座標を設定すれば,どんなベクトルなのかすぐにイメージできる点です。
点 $\rmP$ の座標が $(-3,\,4)$ と与えられると,
$$\begin{aligned}\vec{\rmO\rmP}=\mat{-3}{4}\end{aligned}$$であり,$\left|\vec{\rmO\rmP}\right|$ は2点 $\rmO$,$\rmP$ 間の距離を表すので,$\left|\vec{\rmO\rmP}\right|=5$ ということがすぐにわかります。
(座標)$=$(位置ベクトル)ということを理解しておきましょう。
成分による演算
感覚通り
ベクトルを成分表示したものについて,演算を確認しておきましょう。これまでの扱い方とほとんど変わりはありません。
ベクトルの成分演算
原点 $\rmO$,点 $\rmA(x_1,\,y_1)$,点 $\rmB(x_2,\,y_2)$ において,
$$\begin{aligned} &\vec{\rmO\rmA}\pm\vec{\rmO\rmB}=\mat{x_1}{y_1}\pm\mat{x_2}{y_2}=\mat{x_1\pm x_2}{y_1\pm y_2}\\&k\vec{\rmO\rmA}=k\mat{x_1}{y_1}=\mat{kx_1}{ky_1}\\&\left|\vec{\rmO\rmA}\right|=\sqrt{x_1^2+y_1^2}\\&\vec{\rmA\rmB}=\vec{\rmO\rmB}-\vec{\rmO\rmA}=\mat{x_2}{y_2}-\mat{x_1}{y_1}=\mat{x_2-x_1}{y_2-y_1} \end{aligned}$$