三角関数 数学

三角関数のグラフ

羽白 いむ

東京大学医学部医学科卒 現役医師
東大指導専門塾鉄緑会 物理・数学科元講師
物理基礎のトリセツ著者
数学のトリセツ共著者

三角関数のグラフ

グラフの概形

$y=\sin x$,$y=\cos x$,$y=\tan x$ のグラフをそれぞれ考えてみましょう。

羽白

このグラフの話は物理の波動で当たり前のように扱う内容です!習得必須ですので頑張りましょう!

$y=\sin x$ のグラフ

以下の形になります。

$y=\cos x$ のグラフ

見た目は $\sin x$ のグラフと一緒ですが,少しズレた形です。

$y=\tan x$ のグラフ

こちらは見た目が全く異なります!

$y=\tan x$ のグラフでは,$x=\mskip 4mu\bun{\pi}{2}\mskip 5mu+n\pi$ に限りなく近づいていきます。このような直線を漸近線(ぜんきんせん)といいます。

周期

周期関数

関数 $f(x)$ において,$$f(x+p)=f(x)$$ が成り立つとき,$f(x)$ は周期 $p$ の周期関数であるといいます。

一般的に周期といえば,正で最小のものを意味します。たとえば $y=\sinx$ のグラフは,周期 $2\pi$ でも $4\pi$ と考えても,$20\pi$ と考えてもよいわけですが,正で最小のものだと $2\pi$ になるわけです。

よって,$y=\sin x$ や $y=\cos x$ は周期 $2\pi$ の,$y=\tan x$ は周期 $\pi$ の周期関数になります。

三角関数のグラフの特徴

偶関数と奇関数

関数 $f(x)$ について,偶関数奇関数というものを定めます。

偶関数と奇関数

関数 $f(x)$ について,

$$\begin{aligned}&\stext{・常に $f(-x)=-f(x)$ が成り立つとき,$f(x)$ を奇関数}\\&\stext{・常に $f(-x)=f(x)$ が成り立つとき,$f(x)$ を偶関数}\end{aligned}$$と呼ぶ。

グラフの概形

奇関数のグラフは原点対称に,偶関数のグラフは$y$軸対称になります。

羽白

それぞれの三角関数について確認してみましょう。

$f(x)=\sin x$ とすると,

$$f(-x)=\sin(-x)=-\sin x=-f(x)$$より,$\sin x$ は奇関数であるとわかります。

$f(x)=\cos x$ とすると,

$$f(-x)=\cos(-x)=\cos x=f(x)$$より,$\cos x$ は偶関数ですね。

最後に,$f(x)=\tan x$ とすると,

$$f(-x)=\tan(-x)=-\tan x=-f(x)$$より,$\tan x$ は奇関数です。

よって,$y=\sinx$,$y=\tanx$ のグラフは原点対称,$y=\cosx$ のグラフは $y$ 軸対称となります。

羽白

さきほどのグラフでこのことは確認しておきましょう!

グラフの移動

他の関数と同様

三角関数のグラフも,これまで学習した関数と同じように,形を変えたり,平行移動したりすることができます。

羽白

具体例で説明したほうが早いので,いくつか具体例を見ていきましょう。

$y=2\sin x$

この関数のグラフは,$y=\sin x$ のグラフを,$y$ 軸方向に $2$ 倍に拡大したものになります。

$y=\sin\left(x-\mskip 6mu\bun{\pi}{3}\mskip 5mu\right)$

この関数のグラフは,$y=\sin x$ のグラフを,$x$ 軸方向に $\bun{\pi}{3}\mskip 5mu$ 平行移動したものになります。

$y=\sin2x$

この関数のグラフは,$y=\sin x$ のグラフを,$x$ 軸方向に $\bun12$ 倍したものになります。

$y=\sin kx$,$y=\cos kx$ の周期は $\bun{2\pi}{|k|}\mskip 5mu$,$y=\tan kx$ の周期は $\bun{\pi}{|k|}\mskip 5mu$ になる。

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