三角関数のグラフ
グラフの概形
$y=\sin x$,$y=\cos x$,$y=\tan x$ のグラフをそれぞれ考えてみましょう。
このグラフの話は物理の波動で当たり前のように扱う内容です!習得必須ですので頑張りましょう!
$y=\sin x$ のグラフ
以下の形になります。
$y=\cos x$ のグラフ
見た目は $\sin x$ のグラフと一緒ですが,少しズレた形です。
$y=\tan x$ のグラフ
こちらは見た目が全く異なります!
$y=\tan x$ のグラフでは,$x=\bun{\pi}{2}+n\pi$ に限りなく近づいていきます。このような直線を漸近線(ぜんきんせん)といいます。
周期
周期関数
関数 $f(x)$ において,$$f(x+p)=f(x)$$ が成り立つとき,$f(x)$ は周期 $p$ の周期関数であるといいます。
一般的に周期といえば,正で最小のものを意味します。たとえば $y=\sinx$ のグラフは,周期 $2\pi$ でも $4\pi$ と考えても,$20\pi$ と考えてもよいわけですが,正で最小のものだと $2\pi$ になるわけです。
よって,$y=\sin x$ や $y=\cos x$ は周期 $2\pi$ の,$y=\tan x$ は周期 $\pi$ の周期関数になります。
三角関数のグラフの特徴
偶関数と奇関数
関数 $f(x)$ について,偶関数と奇関数というものを定めます。
偶関数と奇関数
関数 $f(x)$ について,
$$\begin{aligned}&\stext{・常に $f(-x)=-f(x)$ が成り立つとき,$f(x)$ を奇関数}\\&\stext{・常に $f(-x)=f(x)$ が成り立つとき,$f(x)$ を偶関数}\end{aligned}$$と呼ぶ。
グラフの概形
奇関数のグラフは原点対称に,偶関数のグラフは$y$軸対称になります。
それぞれの三角関数について確認してみましょう。
$f(x)=\sin x$ とすると,
$$f(-x)=\sin(-x)=-\sin x=-f(x)$$より,$\sin x$ は奇関数であるとわかります。
$f(x)=\cos x$ とすると,
$$f(-x)=\cos(-x)=\cos x=f(x)$$より,$\cos x$ は偶関数ですね。
最後に,$f(x)=\tan x$ とすると,
$$f(-x)=\tan(-x)=-\tan x=-f(x)$$より,$\tan x$ は奇関数です。
よって,$y=\sinx$,$y=\tanx$ のグラフは原点対称,$y=\cosx$ のグラフは $y$ 軸対称となります。
さきほどのグラフでこのことは確認しておきましょう!
グラフの移動
他の関数と同様
三角関数のグラフも,これまで学習した関数と同じように,形を変えたり,平行移動したりすることができます。
具体例で説明したほうが早いので,いくつか具体例を見ていきましょう。
$y=2\sin x$
この関数のグラフは,$y=\sin x$ のグラフを,$y$ 軸方向に $2$ 倍に拡大したものになります。
$y=\sin\left(x-\bun{\pi}{3}\right)$
この関数のグラフは,$y=\sin x$ のグラフを,$x$ 軸方向に $\bun{\pi}{3}$ 平行移動したものになります。
$y=\sin2x$
この関数のグラフは,$y=\sin x$ のグラフを,$x$ 軸方向に $\bun12$ 倍したものになります。