積和公式
公式の導出
三角関数の積を和の形に直す式が積和公式です。加法定理から導くことができます。
ポイント
以下の関係式が成立する。
$$\begin{aligned} \sin\alpha\cos\beta&=\bun12{\sin(\alpha+\beta)+\sin(\alpha-\beta)}\\ \cos\alpha\sin\beta&=\bun12{\sin(\alpha+\beta)-\sin(\alpha-\beta)}\\ \sin\alpha\sin\beta&=\bun12{\cos(\alpha-\beta)-\cos(\alpha+\beta)}\\ \cos\alpha\cos\beta&=\bun12{\cos(\alpha+\beta)+\cos(\alpha-\beta)} \end{aligned}$$
証明も要チェック!
加法定理を用いて導出します。
$$\begin{aligned} \sin(\alpha+\beta)&=\sin\alpha\cos\beta+\cos\alpha\sin\beta\text{\quad…\ ①}\\ \sin(\alpha-\beta)&=\sin\alpha\cos\beta-\cos\alpha\sin\beta\text{\quad…\ ②} \end{aligned}$$
① $+$ ② より,
$$\sin(\alpha+\beta)+\sin(\alpha-\beta)=2\sin\alpha\cos\beta$$が得られますので,これを整理して
$$\sin\alpha\cos\beta=\Bun12{\sin(\alpha+\beta)+\sin(\alpha-\beta)}$$です!
その他の積和公式も加法定理から導くことができます。
丸暗記はしないでください…!!
加法定理から瞬時に導けるようにすることが重要です。
和積公式
公式の導出
三角関数の積を和の形に直す式が積和公式でした。その逆で,三角関数の和を積の形に直すのが和積公式です。
積和公式と同様に,加法定理から導くことができます。
和積公式
以下の関係式が成立する。
$$\begin{aligned} \sin A+\sin B&=2\sin\bun{A+B}{2}\cos\bun{A-B}{2}\\ \sin A-\sin B&=2\cos\bun{A+B}{2}\sin\bun{A-B}{2}\\ \cos A+\cos B&=2\cos\bun{A+B}{2}\cos\bun{A-B}{2}\\ \cos A-\cos B&=-2\sin\bun{A+B}{2}\sin\bun{A-B}{2} \end{aligned}$$
こちらの公式も,導出の仕方を理解しておきましょう。
いくつかのStepが必要となりますので,順番に説明していきます。
角度の計算
まずはじめに,
$$\alpha+\beta=A,\ \alpha-\beta=B$$となる $\alpha,\,\beta$ を求めます。
式変形
以下の式変形を行います。
$$\begin{aligned} \sin A+\sin B&=\sin(\alpha+\beta)+\sin(\alpha-\beta)\\ &=(\sin\alpha\cos\beta+\cos\alpha\sin\beta)+(\sin\alpha\cos\beta-\cos\alpha\sin\beta)\\ &=2\sin\alpha\cos\beta \end{aligned}$$
角度の代入
$\alpha=\bun{A+B}{2}$,$\beta=\bun{A-B}{2}$ を代入します。すると,
$$\sin A+\sin B=2\sin\bun{A+B}{2}\cos\bun{A-B}{2}$$が得られます。
以上の手順で他の公式も導くことができます。結果を暗記するのではなく,この導出過程をしっかりと覚えて,必要なときに瞬時に導けるようにしておきましょう。
羽白も覚えていません。学生時代も覚えていませんでした。