三角関数 数学

三角関数

羽白 いむ

東京大学医学部医学科卒 現役医師
東大指導専門塾鉄緑会 物理・数学科元講師
物理基礎のトリセツ著者
数学のトリセツ共著者

三角関数の定義

単位円を用いて

$x$ 軸の正の部分を始線とし,半径 $1$ の円(単位円)を考えます。円周上に点 $\rmP$ をとり,角 $\theta$ の動径 $\rmO\rmP$ を考えましょう。

三角関数の定義は,単位円周上に $x$軸となす角が $\theta$ となるよう動径 $\rmO\rmP$ をとったとき,次のようになります。

三角関数の定義

単位円において,

$$\begin{aligned} &\sin\theta=\stext{$\rmP$ の $y$ 座標}\\ &\cos\theta=\stext{$\rmP$ の $x$ 座標}\\ &\tan\theta=\stext{$\rmO\rmP$ の傾き} \end{aligned}$$

関数として考える

$\rmP$ の位置によって $\theta$ は変化しますから,$\theta$ の値によって $\sin\theta$,$\cos\theta$,$\tan\theta$ の値も変化します。つまり,$\sin\theta$,$\cos\theta$,$\tan\theta$ は $\theta$ の関数になることがわかります。

このように考えたものを三角関数といい,三角比と同じような意味合いで用いられます。

羽白

関数として考えていきましょうね!というだけで,考え方はこれまでの三角比と同じです!

三角関数の相互関係

各種公式

三角比と同様に,次の公式が成り立ちます。

三角関数の基本公式

以下の関係式が成り立つ。

$$\begin{aligned}&\stext{①\ $\sin^2\theta+\cos^2\theta=1$}\\&\stext{②\ $\tan\theta=\mskip 4mu\bun{\sin\theta}{\cos\theta}\mskip 5mu$}\\&\stext{③\ $\tan^2\theta+1=\mskip 4mu\bun{1}{\cos^2\theta}\mskip 5mu$}\end{aligned}$$

羽白

特に ① と ② は速やかに使いこなせるようにしておきましょう。

三角関数の性質

三角関数の表現方法

三角関数を効率的に扱うため,三角関数の性質を理解しておきましょう。たとえば,次のような関係を考えてみましょう。

$$\cos(\pi-\theta)=-\cos\theta\stext{\quad…\ ①}$$

この式の左辺は $\cos(\pi-\theta)$ となっていますが,実はこの式は $-\cos\theta$ と変形することができます。どちらの方が簡単ですか?

後者のほうがわかりやすいです!

生徒
羽白

さて,なぜこのようになるのでしょうか。

単位円で考える

単位円周上に適当に角 $\theta$ の動径をとって考えてみましょう。

動径 $\rmO\rmP$ を図のようにとるとき,角 $(\pi-\theta)$ の動径 $\rmO\rmQ$ も図のように表すことができますね。

さて,

$$\cos(\pi-\theta)=\stext{\hspace{-.5em}(点 $\rmQ$の $x$ 座標)}$$であるわけですが,点 $\rmQ$ は $y$ 軸を対称の軸として点 $\rmP$ と対称な点です。

ということは,

$$\cos(\pi-\theta)=\stext{\hspace{-.5em}(点 $\rmQ$の $x$ 座標)}=-\stext{\hspace{-.5em}(点 $\rmP$の $x$ 座標)}$$です。

羽白

単位円がないとこのあたりは考えづらいですね。

ここで,

$$\stext{\hspace{-.5em}(点 $\rmP$の $x$ 座標)}=\cos\theta$$なので,

$$\begin{aligned}\cos(\pi-\theta)&=\stext{\hspace{-.5em}(点 $\rmQ$の $x$ 座標)}\\&=-\stext{\hspace{-.5em}(点 $\rmP$の $x$ 座標)}\\&=-\cos\theta\end{aligned}$$となり,① の式の成立が確認できますね。

その他の関係式

以下に,代表的な性質をまとめました。各関係式は丸暗記するのではなく,上のように単位円を用いた考え方を理解し,すぐに導けるようになっておきましょう。

羽白

覚えないでください!!その場で単位円をかいて,10秒くらいで導けるようにしておきましょう。

いろいろな関係式

① $\theta+2n\pi$ について

$$\begin{aligned}\sin(\theta+2n\pi)&=\sin\theta\\ \cos(\theta+2n\pi)&=\cos\theta\\ \tan(\theta+2n\pi)&=\tan\theta\end{aligned}$$

② $-\theta$ について

$$\begin{aligned}\sin(-\theta)&=-\sin\theta\\ \cos(-\theta)&=\cos\theta\\ \tan(-\theta)&=-\tan\theta\end{aligned}$$

③ $\theta+\pi$ について

$$\begin{aligned}\sin(\theta+\pi)&=-\sin\theta\\ \cos(\theta+\pi)&=-\cos\theta\\ \tan(\theta+\pi)&=\tan\theta\end{aligned}$$

④ $\pi-\theta$ について

$$\begin{aligned}\sin(\pi-\theta)&=\sin\theta\\ \cos(\pi-\theta)&=-\cos\theta\\ \tan(\pi-\theta)&=-\tan\theta\end{aligned}$$

⑤ $\theta+\mskip 4mu\bun{\pi}{2}\mskip 5mu$ について

$$\begin{aligned}\sin\left(\theta+\mskip 4mu\bun{\pi}{2}\mskip 5mu\right)&=\cos\theta\\ \cos\left(\theta+\mskip 4mu\bun{\pi}{2}\mskip 5mu\right)&=-\sin\theta\\ \tan\left(\theta+\mskip 4mu\bun{\pi}{2}\mskip 5mu\right)&=-\mskip 6mu\bun{1}{\tan\theta}\mskip 5mu\end{aligned}$$

⑥ $\bun{\pi}{2}\mskip 5mu-\theta$ について

$$\begin{aligned}\sin\left(\bun{\pi}{2}\mskip 5mu-\theta\right)&=\cos\theta\\ \cos\left(\bun{\pi}{2}\mskip 5mu-\theta\right)&=\sin\theta\\ \tan\left(\bun{\pi}{2}\mskip 5mu-\theta\right)&=\mskip 4mu\bun{1}{\tan\theta}\mskip 5mu\end{aligned}$$

羽白

繰り返しになりますが,覚えないで!!単位円をかいてすぐに導けるように練習してください!

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