三角関数 数学

一般角と弧度法

羽白 いむ

東京大学医学部医学科卒 現役医師
東大指導専門塾鉄緑会 物理・数学科元講師
物理基礎のトリセツ著者
数学のトリセツ共著者

羽白

このセクションから数学Ⅱの内容になります!

一般角

言葉の定義

私たちが普段,角の大きさを扱うときには,$0\Deg$ から $360\Deg$ の範囲で考えます。

羽白

まずは,この角の大きさに対する考え方を拡張していきましょう。

上の図のように,固定された半直線 $\rmO\rmX$ と動く半直線 $\rmO\rmP$ を考えてみます。この $\rmO\rmX$ を始線,$\rmO\rmP$ を動径といいます。

$\rmO\rmP$ を $\rmO\rmX$ に対して反時計周り(正の向き)に回したときの $\angle\rmX\rmO\rmP$ を正の角,$\rmO\rmP$ を $\rmO\rmX$ に対して時計周り(負の向き)に回したときの $\angle\rmX\rmO\rmP$ を負の角といいます。

一般角

次に,$390\Deg$ という角の大きさを考えてみましょう。

これは上の図のように,動径 $\rmO\rmP$ を正の向きに $360\Deg$ 回転したあと,さらに $30\Deg$ 回転させることになります。つまり,$390\Deg$ と $30\Deg$ は同じ角の大きさを表していることがわかりますね。

このことは,$750\Deg(=30\Deg+360\Deg\times2)$,$1110\Deg(=30\Deg+360\times3)$,$-330\Deg(=30\Deg+360\Deg\times(-1))$ なども同じです。一般に,始線と動径のなす角は,

$$\alpha+360\Deg\times n\ \stext{\hspace{-.5em}($n$ は整数)}$$と表すことができ,$n$ の値を変えても動径 $\rmO\rmP$ の位置は同じです。

このように,$n$ などの文字を用いて表した角を一般角といいます。

弧度法

弧度法での角度表現

これまで私たちは,角の大きさを表すとき度数法($30\Deg$,$90\Deg$,$360\Deg$ など)を用いて表してきました。

この表し方は,角の大きさを表すときにはとても便利なツールなのですが,扇形の面積や弧の長さを求める際,式が少し煩雑になります。

半径が $r$,中心角が $\theta$ の弧の長さ $l$ と扇形の面積 $S$ はそれぞれ,

$$\begin{aligned}l&=2\pi r\cdot\mskip 6mu\bun{\theta}{360}\mskip 5mu\\ S&=\pi r^2\cdot\mskip 6mu\bun{\theta}{360}\mskip 5mu\end{aligned}$$という形になります。

弧の長さや面積を考える際,表現の仕方をシンプルにできないのでしょうか。

生徒

扇形の弧の長さ $l$ は,$l=2\pi r\cdot\mskip 6mu\bun{\theta}{360}\mskip 5mu$ の式からわかる通り,中心角 $\theta$ に比例します。ということは,弧の長さを用いて,角の大きさを表すこともできるはずです。

そこで,図の $\angle\rmX\rmO\rmP$ の大きさを,単位円上の弧 $\rmA\rmB$ の長さを用いて表すことにしてみます。

このようにして,単位円の弧の長さを用いて角の大きさを表す方法を弧度法といい,単位をラジアン($\mathrm{rad}$)とします。

具体的にあらわしてみましょう!

生徒

半径 $1$ の円の場合,円周の長さは $2\pi$ となります。つまり,$360\Deg=2\pi \rad$ です。したがって,

$$\pi\rad=180\Deg$$となります。

逆に,度数法から弧度法に変換するときも,$180\Deg=\pi\rad$ をもとにすれば,

$$90\Deg=\mskip 4mu\bun{\pi}{2}\mskip 5mu\rad,\ 45\Deg=\mskip 4mu\bun{\pi}{4}\mskip 5mu\rad,\ 30\Deg=\mskip 4mu\bun{\pi}{6}\mskip 5mu\rad$$などと求めることができます。

単位の $\rad$ は,省略してかかれることが多く,単に

$$\pi\,(=180\Deg),\ \bun{\pi}{3}\mskip 5mu\,(=60\Deg),\ -\bun{\pi}{2}\mskip 5mu\,(=-90\Deg)$$などとかかれます。

公式のまとめ

弧度法を用いた場合,半径が $r$,中心角が $\theta$ の扇形の弧の長さ $l$,面積 $S$ について,公式をまとめていきましょう。

半径が $1$ で,中心角が $\theta$ の扇形の弧の長さは $\theta$(これが弧度法の定義!)です。

半径が $r$ で,中心角が $\theta$ の扇形との相似比は,$1:r$ なので,

$$\theta:l=1:r$$となります。よって,

$$l=r\theta\stext{\quad…\ ①}$$であることがわかります。

また,半径が $r$ の円の面積は $\pi r^2$ で表せますから,中心角が $\theta$ の扇形の面積 $S$ は,

$$S=\pi r^2\times\mskip 6mu\bun{\theta}{2\pi}\mskip 5mu=\mskip 4mu\bun12r^2\theta\stext{\quad…\ ②}$$と表せます。

さらに,①,②より,

$$S=\mskip 4mu\bun12r^2\theta=\mskip 4mu\bun12r(r\theta)=\mskip 4mu\bun12rl$$のように,弧の長さと半径のみで表すこともできます。

弧度法に関する公式

弧度法を用いた場合,半径が $r$,中心角が $\theta$ の扇形の弧の長さ $l$,面積 $S$ は,

$$\begin{aligned} l&=r\theta\\ S&=\mskip 4mu\bun12r^2\theta=\mskip 4mu\bun12rl \end{aligned}$$

羽白

$l=r\theta$ の式は物理でも使用しますのでしっかりと覚えてください!

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