三角比の定義
三角比の概念
「三角比」というのは,中学で学習した「相似」という概念をより使いやすくしたものになります。
次の図を見てください。
三角形 $\rmA\rmB\rmC$ と三角形 $\rmD\rmE\rmF$ が相似となっていますね。
三角比というのは,この相似をもっと簡単に表現できるツールになります。
先ほどの図の2つの三角形の形は全く同じですから,たとえば,
$$\rmA\rmB:\rmA\rmC=\rmD\rmE:\rmD\rmF$$という関係が成り立ちます。
直角三角形においては,1つの鋭角が等しければ,必ず2辺の比が等しくなります。
つまり,角度によって辺の比は決まるということですね。
そこで,直角三角形の辺の比を角度を用いて表したものが三角比という概念なのです。
サイン,コサイン,タンジェント
言葉の定義
次図の直角三角形において,図のように角 $\theta$(シータ)をとり,斜辺の長さを $r$ とします。
また,$\theta$ の向かいにある辺の長さを $y$,余った辺の長さを $x$ とします。このとき,$\bun{y}{r}$ を角 $\theta$ のサインといい,$\bun{y}{r}=\sin\theta$(サイン シータ)と表します。
同様に $\Bun{x}{r}=\cos\theta$(コサイン シータ),$\bun{y}{x}=\tan\theta$(タンジェント シータ)と表します。
三角比
直角三角形において,次の通りに三角比を定義する。
$$\sin\theta=\Bun{y}{r},\ \cos\theta=\bun{x}{r},\ \tan\theta=\bun{y}{x}$$
また,それぞれの三角比には別の呼び名があります。
$\sin\theta$ を正弦,$\cos\theta$ を余弦,$\tan\theta$ を正接と呼びます。