物理基礎の復習
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速度
具体例を用いながら,速度の「ちゃんとした定義」に触れていきます。微分で理解しておくと,その先の学習もスムーズです。
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加速度
速度と関連させながら,加速度を定義していきます。「位置と速度」「速度と加速度」が同じ関係になることがポイントです!
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v-tグラフ
運動する物体の速度を視覚的にわかりやすくする $v-t$ グラフを考えていきます。傾き,面積がそれぞれ何を表すかをしっかりと理解しましょう!
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平面上での運動
2次元での物体の運動
物理基礎の範囲では,直線上の等加速度運動を考えることが多かったですね。しかし,物体が平面上で運動を行う場合もあります。
そもそも僕らの生きている世界は4次元ですからね。2次元の世界で生きている人も中にはいるようですが…。
この場合には,$x$ 軸だけでなく,$y$ 軸も設定して考える必要があります。
$x$ 座標が $x$,$y$ 座標が $y$ であるような物体の位置は $(x,\,y)$ と表されるわけですが,これは「その物体の位置ベクトル」になっています。
よって,物体の位置はベクトル表記で $\vec{r}=(x,\,y)$ のように表されます。
数式を用いた表現
ベクトルを用いた表記
「2次元になると成分が2つも出てくるから大変!」と思うかもしれませんが,基本的には成分ごとに考えてしまえばよいのです。
速度が $\vec{v}=(v_x,\,v_y)$,加速度が $\vec{a}=(a_x,\,a_y)$ と表されるとしましょう。$x$ 軸方向の運動について考えるときは $y$ 方向の運動のことをいったん忘れて,
$$v_x=\bun{\dx}{\dt},\ a_x=\bun{\dv_x}{\dt}=\bun{\d^2x}{\dt^2}$$としましょう。
$y$ 軸方向についても同様に考えればokです。
平面上での運動
成分ごとに考える。位置が $\vec{r}=(x,\,y)$ で表される物体の速度 $\vec{v}=(v_x,\,v_y)$ および加速度 $\vec{a}=(a_x,\,a_y)$ は,
$$\begin{aligned} \vec{v}&=\bun{\d\vec{r}}{\dt}=\left(\bun{\dx}{\dt},\,\bun{\dy}{\dt}\right)\\\vec{a}&=\bun{\d\vec{v}}{\dt}=\bun{\d^2\vec{r}}{\d^2t}\\&=\left(\bun{\dv_x}{\dt},\,\bun{\dv_y}{\dt}\right)=\left(\bun{\d^2x}{\dt^2},\,\bun{\d^2y}{\dt^2}\right) \end{aligned}$$として得られる。
問題を解くときには,必要に応じて速度や加速度を成分分解して考える習慣を付けておきましょう。
例題
時刻 $t$ における位置が $\vec{r}=(4t,\,2t+5t^2)$ で表される物体の運動について,以下の問いに答えよ。
時刻 $t$ における速度 $\vec{v}$ および加速度 $\vec{a}$ を求めよ。
時刻 $t=1$ における速さ $v$ を求めよ。
位置の変化率を考えて,
$$\vec{v}=\left(\bun{\dr_x}{\dt},\,\bun{\dr_y}{\dt}\right)=(3,\,2+10t)$$
速度の変化率を考えて,
$$\vec{a}=\left(\bun{\dv_x}{\dt},\,\bun{\dv_y}{\dt}\right)=(0,\,10)$$
時刻 $t=1$ における物体の速度は,$(4,\,12)$ である。よって,
$$v=\sqrt{4^2+12^2}=4\sqrt{10}$$