物質波
逆の発想で
光電効果やコンプトン効果で見てきたように,これまで「波動」と考えられていた「光」が,「粒子」としての性質もあわせ持つことがわかりました。
そこで,ド・ブロイは逆に,「粒子」と考えられている電子などの物質も,「波動」としての性質を持つのではないかと考えました。

やっぱり考えがぶっ飛んでいる…
粒子を波として考える際の波長は,次の通りに考えます。
物質波
質量が $m$,速さが $v$ の粒子(運動量は $p=mv$)は,波長 $\lambda$ が
$$\lambda=\mskip 4mu\bun{h}{p}\mskip 5mu=\mskip 4mu\bun{h}{mv}\mskip 5mu$$
の波としての性質をあわせ持つ。
「電子は波だよ!!」って言ってるんです。

ほんとうにぶっ飛んでいる…
不思議なことですが,電子もまた「粒子」としての性質と「波」としての性質をあわせ持つのです。
ド・ブロイ波の式の形 $\lambda=\mskip 4mu\bun{h}{p}\mskip 5mu$ は,光子の運動量を考えた際の式 $p=\mskip 4mu\bun{h}{\lambda}\mskip 5mu$ と同じですね!覚えやすい!
ド・ブロイ波についての注意
とにかく勘違いしやすい!
上で見たように,運動量と波長の関係式が似ているので「なんだ!一緒じゃん!」と考える人が多いのですが,注意点があります!
光子のように「質量がない粒子」と,電子のように「質量がある粒子」について,エネルギーや運動量に関する式を整理しましょう。
光子など,質量がない粒子については,どこにも $m$ が登場してないですね!
一方,ド・ブロイ波については,$c=\nu\lambda$ に相当する式がないので注意してください!
波としての速さと粒子としての速さは別物ですので,電子について $v=\nu\lambda$ のような式を立てて,$\nu=\mskip 4mu\bun{v}{\lambda}\mskip 5mu$ といったように振動数を考えたりすることはできません。

あくまで電子の速さ $v$ は,粒子としての速さです!
一見すると似ていますが,全然異なる両者ですので,「自分が考えているのは,質量がない粒子(波動性が強い,光子など)なのか,質量がある粒子(粒子性が強い,電子など)なのか」を常に意識するようにしましょう!