実験装置
実験の準備
光電効果についてさらに考えていくために,図のような実験装置を用います。
金属(陰極)に光を当て,飛び出した電子を陽極 $\rmP$ に集めます。
集められた電子は導線部分を電流として流れるため,電流計によって測定が可能です。
また,金属と陽極 $\rmP$ の間に電圧をかけることができるよう,回路には可変電圧が設置されています。
電子が飛び出す条件
電子が飛び出るかどうか
光電子のエネルギーについては既に学習しました。仕事関数 $W_0$ より大きなエネルギーを電子に与えると飛び出てくるはずですよね。
そこで,金属に当てる光の振動数や振幅を変化させ,電子が金属から飛び出してくるか(回路に電流が流れるか)を調べました。

結果は次の通りです。
結果 ①
光の振動数が $\nu_0$ より大きければ電流が流れる。振動数が $\nu_0$ より小さいと,光の振幅をどれだけ大きくしても電流は流れない。

これ,おかしいんです!!
振動数が大きければ大きいほど,振幅が大きければ大きいほど光のエネルギー $\varepsilon$ は,大きくなるはずです。
しかし,どんなに振幅を大きくしても電流が流れない…(つまり電子が飛び出してこない…)。
光を波動(電磁波)と考えると,実験結果がうまく説明できないのです。
また,この振動数 $\nu_0$ は 限界振動数 と呼ばれていますので,名前を覚えておきましょう。
飛び出す光電子の個数
電圧を変化させると
次に,金属に一定の光を当てながら可変電圧 $V$ を変化させていき,回路に流れる電流を測定します。すると,グラフに示すような結果が得られます。
このグラフの意味について考えてみましょう。
電圧が小さい場合
グラフから,電圧が $-V_0$ より小さくなると回路に電流が流れなくなることがわかります。
この $V_0$ は 阻止電圧 と呼ばれます。電圧が負の値のとき,光電子がどのような状況なのかを考えてみます。
電圧が負の値のとき,金属側が高電位となるため,金属から陽極 $\rmP$ に向かう向きの電場が生じます。
電子は負の電荷 $-e$ を持つため,金属に押し戻されてしまいます。
電圧が小さくなれば小さくなるほど電場の強さは強くなり,より大きな力で金属側へと押し戻されてしまうので,やがて電子は陽極 $\rmP$ に到達することができなくなり,回路を流れる電流が $0$ になるのです。

では,電圧が $-V_0$ のときはどうでしょうか。
電流がぎりぎり $0$ になるところですので,陽極 $\rmP$ に到達することができる電子がぎりぎり存在します。
ではその電子はどのような電子かというと,金属から最も大きな運動エネルギー $K\max$ を持って飛び出してくる電子になります。
金属を飛び出したときの位置エネルギーは $0$,運動エネルギーは $K\max$ です。
一方,陽極 $\rmP$ にたどり着くとき,位置エネルギーは $(-e)(-V_0)=eV_0$ となります。
ぎりぎり到達するので運動エネルギーは残っていません!
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このことを踏まえると,エネルギー保存則から,
$$K\max=eV_0\stext{\quad……\ ②}$$
が成立することがわかります。
電圧が大きい場合
正の電圧がかけられると電場の向きが逆になり,電子は陽極 $\rmP$ に向かうような静電気力を受けます。
電圧が十分に大きくなると,飛び出してきた全ての電子が陽極 $\rmP$ に集まり,電流として回路を流れます。
まずはここまでに説明した「なぜグラフがそのような形になるのか」をしっかりと理解してください!

②の式は暗記するまでもなく,意味を考えればすぐにかけるはずです!
光量を変化させると
グラフについて十分に理解できたら,次は「当てる光の光量を増やすとどうなるか」を考えてみます。
光の振動数は変えずに光量を増やすと,図のようにグラフが変化します。
電流の大きさは金属から飛び出してくる電子の数によって決まるので,「光の光量を増やすと飛び出す電子の数が増える」ことがわかりますね!