光電効果とは
とっても不思議な現象
光電効果とは!ずばり!「金属に光を当てると電子が飛び出す現象」です!!

単純ですね!以上!おしまい!
といいたいところなのですが,この現象,よくよく調べていくととても不思議な現象なのです。
今回はは,光電効果の一体どこが不思議なのか,そしてその不思議な部分の解決策について考えていきます。
金属と光電子
光電子
「金属に光を当てると電子が飛び出す」という現象についてまずは丁寧に確認していきましょう。
金属内部には自由電子がたくさん存在していますが,自然に外にこぼれ落ちてくることはありません。
それは金属の原子核に電子が引きつけられており,金属内部の方が安定した状態だからです。
この自由電子を金属の外に飛び出させるためには,それなりのエネルギーが必要になります。
その役割をするのが光ということですね!
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光によって金属内の電子にエネルギーが与えられ,自由電子が金属の外に飛び出してきたと考えると納得がいきますよね。
このように,光のエネルギーによって金属から飛び出した電子を 光電子 と呼びます。
光電子のエネルギー
地下労働の例
電子のエネルギーについて具体的に考えていきましょう。まずはこんな例を考えてみます。
人生の大逆転!
借金を1億円以上抱える人々が収容されている地下労働施設がある。借金を全て返済しないとこの施設から出ることができない。
この施設にはときおり,地上から大金が落ちてくる。運良くこの大金を拾った者は施設から出ることができるのである。

某漫画のようなお話ですが…。
落ちてきたお金と,それを拾った人について考えてみましょう。
地上に出れる条件
まずそもそもですが,落ちてくる大金が1億円以上でなければ何も起こりません。
仮に5000万円が落ちてきたとしても,借金は少なくとも1億円あるので返済できないですよね。

では1億円以上落ちてきた場合はどうなるでしょうか。
例えば借金が3億円の人が5億円を拾ったとしましょう。この場合,3億円の借金を返済し,2億円を手元に残したまま地上に出ることができますね。
一般化
以上の話を一般化して考えます。
ある人の所持金が $-W$ 億円(つまり借金が $W$ 億円),拾ったお金が $\varepsilon$ 億円だとします。
このとき,$\varepsilon>W$ であれば地上に出れます。残る所持金 $K$ は,$K=\varepsilon-W$ で計算できます。
$W$ は人によって様々な値を取りますが,最低値 $W_0$ 億円(上の例だと 1 億円)が決まっています。

光電効果もこの話と同じように考えることができます!
「借金を抱えた人→電子」「所持金→エネルギー」とおき換えて考えましょう!
光電効果だと
まず,自由電子のエネルギーは金属外部が $0$ であるものとします。金属内部の自由電子は外部より安定しているので,エネルギーの値は負になります。
自由電子が持つエネルギー $-W$ は様々な値を取りますが,その中でも最大のものを $-W_0$ としましょう。
自由電子に,光によってエネルギー $\varepsilon$ が与えられます。
自由電子が外に飛び出して来るためには,$\varepsilon$ が少なくとも $W_0$ より大きくなければいけませんね。この $W_0$ のことを 仕事関数 と呼びます。
この仕事関数は「どれだけ自由電子がその金属から飛び出しにくいか」を表しており,金属の種類によって決まる値です。
エネルギーを式で表す
さて,エネルギーが $-W$ の電子に $\varepsilon$ の光エネルギーが与えられたとしましょう。自由電子は金属から外の世界に飛び出ます。
残ったエネルギーは電子の運動エネルギー $K$ になるものとすれば,エネルギー保存則として,
$$\varepsilon=W+K$$
が成り立ちますね。
$\varepsilon$ が一定であるとき,$W$ の最小値は仕事関数 $W_0$ ですので,飛び出す電子の最大の運動エネルギー $K\max$ は,
$$K\max=\varepsilon-W_0\stext{\quad……\ ①}$$
によって与えられます。
光電子のエネルギー
仕事関数が $W_0$ の金属に $\varepsilon$ の光エネルギーを与えたとき,飛び出す電子の最大運動エネルギー $K\max$ は,
$$K\max=\varepsilon-W_0$$
によって決まる。
地下労働施設の具体例との対応をまとめておきます。