合成関数
合成関数とは

いきなり合成関数の話が始まりますが,数Ⅲの微分を学ぶにあたって必須の内容です!物理でも使用する考え方ですので,しっかりと理解しましょう!
一般に,2つの関数 $y=f(x)$,$z=g(y)$ があり,$f(x)$ の値域が $g(y)$ の定義域に含まれているとき,$g(y)$ に $y=f(x)$ を代入すると,新しい関数 $z=g(f(x))$ が得られます。
この関数を $f(x)$ と $g(x)$ の合成関数といいます。合成関数は $(g\circ f)(x)$ とかくこともあります。
合成関数のイメージ

図を用いて合成関数のイメージを確認していきます。
$y=f(x)$ という関数は「$x$ の値を $y$ の値に変換する装置 $f$」のようなものと考えてみます。$(g\circ f)(x)$ は,$f$ という装置で変換した値を $g$ という装置でさらに変換するようなイメージなわけです。
注意が必要なのは,$(g\circ f)(x)$ という関数は,$x$ という値をまずは $f$ で変換し,そして $g$ で変換するという順番です。これもイメージですが,右から順に操作しているわけです。
このことからもわかるように,$(g\circ f)(x)$ と $(f\circ g)(x)$ は操作の順番が変わりますから,同じものではありません。
一般的に,$(g\circ f)(x)\ne(f\circ g)(x)$ が成り立ちます。
同じになることもあります。
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たとえば,$f(x)=2x+1$,$g(x)=x^2$ とするとき,
$$\begin{aligned} (g\circ f)(x)&=g(f(x))=(2x+1)^2=4x^2+4x+1\\ (f\circ g)(x)&=f(g(x))=2x^2+1 \end{aligned}$$のようになり,全く違う関数になります。
合成関数を扱う際には,この順序を意識しましょう。