三角関数 数学

三角比の基本公式

羽白 いむ

東京大学医学部医学科卒 現役医師
東大指導専門塾鉄緑会 物理・数学科元講師
物理基礎のトリセツ著者
数学のトリセツ共著者

公式の紹介

3つの基本公式

同じ角 $\theta$ についての三角比 $\sin\theta,\ \cos\theta,\ \tan\theta$ の間には,常に成り立つ次の関係式があります。

以下の3公式は非常に重要なので,絶対に覚えてください!

三角比の基本公式

同じ角 $\theta$ について,常に以下の式が成り立つ。

$$\begin{aligned}\stext{①}&\ \sin^2\theta+\cos^2\theta=1\\\stext{②}&\tan\theta=\mskip 4mu\bun{\sin\theta}{\cos\theta}\mskip 5mu\\\stext{③}&\tan^2\theta+1=\mskip 4mu\bun{1}{\cos^2\theta}\mskip 5mu\end{aligned}$$

導出

②の式は,そもそもの定義である

$$\sin\theta=\mskip 4mu\bun{y}{r}\mskip 5mu,\ \cos\theta=\mskip 4mu\bun{x}{r}\mskip 5mu,\ \tan\theta=\mskip 4mu\bun{y}{x}\mskip 5mu$$から速やかに得られます。

①の式は,上の定義に加え,

$$x^2+y^2=r^2$$が成立することを踏まえると導けますね。③の式は,①と②のを組み合わせると得ることができます。

式が意味するもの

羽白

今回紹介した3つの式が何を意味しているかわかりますか…?

$\sin\theta,\ \cos\theta,\ \tan\theta$ のうち,1つがわかれば残り2つを計算できるということです。

たとえば,$\sin\theta=\mskip 4mu\bun23$ のとき,$\cos\theta$ の値を求めるとします。もし,$\theta$ の値が求められるのであれば,$\cos\theta$ を求めることもできるかもしれませんが,先に触れたように,有名角($30\Deg,\ 45\Deg,\ 60\Deg$ など)でなければ基本的には三角比を求めることはできません。

しかし,上記の公式があれば,$\theta$ を経由することなく,他の三角比を求めることができるわけです。

$$\left(\Bun23\right)^2+\cos^2\theta=1$$が成り立つことから,

$$\cos\theta=\mskip 4mu\bun{\sqrt{5}}{3}$$であることがわかりますね。

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