公式の紹介
3つの基本公式
同じ角 $\theta$ についての三角比 $\sin\theta,\ \cos\theta,\ \tan\theta$ の間には,常に成り立つ次の関係式があります。
以下の3公式は非常に重要なので,絶対に覚えてください!
三角比の基本公式
同じ角 $\theta$ について,常に以下の式が成り立つ。
$$\begin{aligned}\stext{①}&\ \sin^2\theta+\cos^2\theta=1\\\stext{②}&\tan\theta=\Bun{\sin\theta}{\cos\theta}\\\stext{③}&\tan^2\theta+1=\bun{1}{\cos^2\theta}\end{aligned}$$
導出
②の式は,そもそもの定義である
$$\sin\theta=\Bun{y}{r},\ \cos\theta=\bun{x}{r},\ \tan\theta=\bun{y}{x}$$から速やかに得られます。
①の式は,上の定義に加え,
$$x^2+y^2=r^2$$が成立することを踏まえると導けますね。③の式は,①と②のを組み合わせると得ることができます。
式が意味するもの
今回紹介した3つの式が何を意味しているかわかりますか…?
$\sin\theta,\ \cos\theta,\ \tan\theta$ のうち,1つがわかれば残り2つを計算できるということです。
たとえば,$\sin\theta=\Bun23$ のとき,$\cos\theta$ の値を求めるとします。もし,$\theta$ の値が求められるのであれば,$\cos\theta$ を求めることもできるかもしれませんが,先に触れたように,有名角($30\Deg,\ 45\Deg,\ 60\Deg$ など)でなければ基本的には三角比を求めることはできません。
しかし,上記の公式があれば,$\theta$ を経由することなく,他の三角比を求めることができるわけです。
$$\left(\Bun23\right)^2+\cos^2\theta=1$$が成り立つことから,
$$\cos\theta=\bun{\sqrt{5}}{3}$$であることがわかりますね。