塾に通うかどうか,迷っていませんか?
大学受験のために塾に通うかどうかで悩んでいる人って,多いんじゃないでしょうか。
「自分で勉強できるから塾には行かない」「周りの友達がみんな行っているからなんとなく塾に行く」など,様々な理由から選択している人も多いでしょう。
本記事では,私が実体験から考える,「塾に行くメリット・デメリット」をご紹介します。
結論
私自身の経験に基づくと,大学受験のために塾に通うメリットは大きく分けると3つあるように思います。
これらはどれも,私が学生時代に実感していたものであり,講師になって指導する立場になってからも常に感じていたものです。
塾に通うメリット
- カリキュラムに沿った講義を受けることができる。
- 担当の先生やチューターに学習全般のアドバイスを受けられる。
- 受験をともに闘う仲間ができる。
一方で,デメリットもあります。数多くの指導をしていると,「塾の宿題以外にもっと優先して取り組むべきことがあるのでは…」と感じることも多々あるのです。
塾講師の立場だと,「宿題やらなくていいから!授業の進度も無視していいからこっちの課題を優先して!」といったようなアドバイスはなかなかできないのですが…。
塾に通うデメリット
- 授業の進度が本人の学習ペースに合っていないことがある。
- 与えられた宿題をこなすことに精一杯になってしまい,優先すべき勉強に手が回らない。
- 塾帰りなどに友達と過ごす時間が増え,勉強できる時間が減ってしまう。
それぞれ,順番にみてみましょう。
具体的なメリット
【メリット①】カリキュラムに沿った講義を受けることができる。
塾に通えば,カリキュラムに沿ったわかりやすい講義を受けることができますよね。そのために塾に通う,という人も多いのではないでしょうか。
参考書を使って独学を行う場合,自分だけでは読んで理解できない部分が少なからずあるでしょうし,進めるペースも自分で考えないといけません。「講義を受けると理解がスムーズ」という点については,「数学のトリセツ」などの学習書籍や映像講義などでもある程度カバーできますが,学習ペースについてはやはり独学では難しいところがあります。
【メリット②】個人的なアドバイスを受けられる。
担当の先生に個別に質問をしたり,学習計画を相談したりできることは大きなメリットでしょう。自分に合った学習方法を提案してもらうことも状況によっては可能ですよね。
特に,自分の志望校に通う先輩がチューターや講師として在籍している場合にはこのメリットが際立ちます。私は学生時代に東大指導専門塾「鉄緑会」に通っていましたが,東大医学部の講師の先生が数多く在籍していました。高校3年生の1年間も,英語と数学は東大医学部の先生の授業を受けていました。
まさに自分の志望校に実際に合格した先輩方であり,具体的な勉強の方法や大学生活の話などを聞けたことで,受験に対するモチベーションは大きく上がりました。
自分の志望校に実際に受かっている先生から「もうちょっと頑張らないとね…」と言われたら,「あ,本当にもっと頑張らないといけないんだな…」とやる気も出ますよね。
学習に関するアドバイスもより具体的です。「高校3年生のこの時期にはこの参考書を使っていた」「高校2年生の時点ではだいたいこのくらいの成績だった」といった話を聞けたことで,自分の学習ペースを考える上で大きな参考になりました。
ここで紹介したメリットは,私が「高校生の3年間,塾に通ってよかった!」と感じる最も大きな理由です。
羽白が考える,塾に通う最大のメリット
個人個人に合ったアドバイスを受けることができる。特に,自分の志望校に合格した講師,チューターが在籍していれば,より具体的でモチベーションの上がるアドバイスをもらえる。
塾に通っているのに,先生と話さないなんてもったいない!授業後に質問をしたりしながら,色々話を聞くとモチベーションも上がるよ!
【メリット③】受験をともに闘う仲間ができる。
模試の成績別,志望校別でクラスが決まっている塾が多いですよね。結果として,同じ志望校を目指す友達が同じ教室に多く集まるわけです。
同じ志望校を目指す同級生がどのように勉強を進めているのか,どのくらいの成績なのかといったことを知ることができますし,毎週のようにテストや演習で競うことで自分の立ち位置も把握しやすいです。
私が通っていた「鉄緑会」では,同じクラスに東大医学部を目指す学生が数多く在籍しており,そうした仲間と毎週同じ教室で授業を受けることができたことはモチベーションの向上に大きく繋がりました。
受験が終わった後も,受験生活をともにした仲間との交流は続きますし,大学を卒業した今でも仲の良い友人が沢山います。塾以外でも,こうした受験生同士が切磋琢磨できる場が,例えばオンライン上などにあるとよいのになぁと思っています。
塾に通っているのに,友達を作らないなんてもったいない!
メリットを活かした塾の通い方
すでに塾に通っている皆さん,ここまでに挙げたメリット,活かせていますか…?
こんなことになっていませんか?
- 授業でわからない点があったのに質問をしないで帰る。
- 学習ペースや志望校について,先生やチューターに相談していない。
- 同じ学校の友達同士で話していて,他校の友達を作ろうとしていない。
一つでもあてはまっているのであればとてももったいない!
せっかく塾に通っているわけですから,ぜひメリットを最大限活かしましょう!
具体的なデメリット
【デメリット①】授業の進度が自分の学習ペースに合わないことがある。
塾のカリキュラムは自分の理解度に合わせてくれません。授業が始まった直後,部活で疲れていて15分うとうとしてしまった…。そこから先は起きて聞いていたけど,全く理解が追いつかなかった…。なんていう経験がある人もいるのではないでしょうか。
途中から入塾する場合や,授業を欠席してしまった場合にも同じことが言えますよね。塾のカリキュラムの進度に合わせて自分で埋め合わせを行わないといけません。
教材を渡して「授業聞けなかったところ,復習しておいてね!」って言うのは簡単だけれど,実際に生徒がそれを自力でやるのって本当に難しい…。というより,最初からそれができるなら塾に行く必要がないのでは,とも思うわけです。
【デメリット②】優先すべき勉強に手が回らなくなる。
「数学がとにかく苦手!英語は得意だからいつも模試でも良い成績だけど,数学はいつも平均以下!」という学生がいたとしましょう。どう考えても,数学の学習に重点を置くべきですよね。自分で勉強のペースを決めるのであれば,「得意な英語はそこそこに,数学の勉強時間を増やす」というような調整ができます。
しかし塾に通っていると,「英語の宿題が多すぎて数学の学習に手が回らない」といったような状況に容易に陥ります。塾のカリキュラム,宿題が原因で逆に学習リズムが崩れてしまう生徒を本当に数多く目にしてきました。
自分が英語担当講師であれば,「英語の宿題は減らしていいから数学頑張って!」って言えるけれど,数学担当講師だと「英語サボっていいから数学やって!」なんて簡単に言えないのが難しいところ…。
このデメリットを解決するためには,自分が優先しなければいけない学習を見失わないことが何より大切です。塾のカリキュラムや宿題を効率よく上手にこなし,自分に必要な勉強をする時間をしっかり確保しないといけません。
【デメリット③】友達と過ごす時間が増えて勉強時間が減る。
友達に誘われてそのままコンビニへ。一緒に帰る友達が先生に質問しているから,終わるまでぼーっと待っている。友達の家まで少し遠回りしてから自分の家に帰る。
一例を挙げましたが,よくある光景ですよね。私も中学生の頃はよく友達と一緒に家まで帰っていましたが,友達の家の方面まで一緒に歩き,別れるところで立ち話をして…,と,一人でまっすぐ帰る場合と比べて30分以上のロスをしていました。
1回30分なら,週2回だとしても1ヶ月に4時間の時間が無駄になります。そういう人に限って「部活が忙しくて宿題ができませんでした。」と自信満々に答えるんですよね…。
まとめ
塾に通うメリット・デメリットをまとめました。
これから塾に通おうと考えている人だけでなく,すでに塾に通っている人も「デメリットの部分を自分に当てはめて見直し,改善する」といったように,本記事の内容を活用してみてください。