時間の使い方
理科全体で考えた場合
物理生物選択の受験生は少ないと思われるので,物理化学選択の前提で話をします。
2科目で150分として考えた場合,化学により時間を割けるよう,物理は65〜70分程度で切り上げるのが得策です。
確かに近年は問題数が増えていますが,それでもしっかりと方針を立てて解き進められれば65分で50点は取れます。それ以上時間をかけてじっくり考えるよりは,いったん化学にうつるという戦略を取れるように練習しておくべきです。
普段の自宅での過去問演習では,物理は1問20分と考えて練習しておくと良いでしょう。
時間の調整
化学により多くの時間を割けるよう,物理は60〜65分で切り上げる。
問題を解く順番
化学より物理を先に解くのがおすすめです。化学は時間をかけようと思えばいくらでもかけられるため,泥沼にはまってしまう危険があるためです。
物理としては,「その場で問題を眺めて,解きやすそうな問題から解く」のが最も良いでしょう。最初の1分程度でさっと全ての問題に目を通し,大体の時間配分を考えます。
この際,文章を全て読んで設問を理解していると時間がかかってしまうので,問題文や選択肢の図を有効活用すると良いでしょう。慣れてくると,図を見て大体の難易度がわかるようになるはずです。
問題を解く順番
試験開始直後に全ての問題に目を通し,解きやすそうな問題から解く。
解答の作成
全体として
解答用紙は半分に線を引いて使うのがおすすめです。
東大2021_1基本的に,
- 根拠となる法則名
- 立式
- 解答
という流れでokです。
上の手書き解答の例にあるⅠ(2)のように,「EOMより,〜。よって,〜。」のように簡潔な解答を心がけましょう。
法則名については,運動方程式はEOM(Equation Of Movement),状態方程式はEOS(Equation Of State)と略してokです。
羽白も本番の解答で「EOM」や「EOS」の表記は使っていました。「エネ保」とかは正式な略し方ではないので怪しいですね…。
問題数に応じた記述量
全体の問題数を踏まえて考えるべきでしょう。
近年は1つの大問で答えるものの数が15個を超えることもあります。
その場合,1問あたりの配点は1点もしくは2点で部分点は期待できないため,自信がある問題は答えのみ書く,といった工夫が必要です。
なお,途中の過程を書かなくても,答えが合っていれば入試本番で減点されません。
答えしか書かないで提出した,という友人がいました。50点を悠に超えており,自己採点どおりだったとのことですので,「途中過程の記述がないことによる減点はない」ことが確認されています。
目標に応じた記述量
記述量は人によっても変わるでしょう。
「志望科類が理Ⅲだし,物理が得意だから満点を目指したい!」という人であれば,前半の問題は確実に正解できるでしょうから答えのみの記述としてサクサクと解き進め,後半の問題を解くのに時間をかけるべきです。
一方,「物理が苦手だし,30点を死守したい」という人であれば,前半の問題でも自信がないことがあるでしょうし,そうした問題で丁寧に途中過程を書いて部分点をかせぐことが大切です。
同様に,その問題の答えに自信があるかどうか,という状況も重要でしょう。「とりあえず解けたけど,間違っているだろうなぁ…。途中まではたぶん合ってるんだけど…。」という場合にも,途中経過の記述は丁寧に残しておくべきです。
穴埋め問題
近年は定番となりつつある穴埋め問題。途中過程による部分点はないと思われるので,解答のみで良いでしょう。
記号選択問題も同様です。
その分,確実に答えを合わせることが重要です。
記号選択問題
いくら述べていることが正しくても,選んだ選択肢が間違いであれば部分点は期待できないでしょう。
よって,答えのみの記述でよいと考えられます。
数値計算問題
計算量が多い場合や,大問全体での問題数が少ない場合には部分点がもらえる可能性があります。
時間に余裕があれば,途中経過も残しておくとよいでしょう。
記述のポイント
記述量は全体の問題数も踏まえて考える。
穴埋め問題,記号選択問題は答えのみ書く。