抵抗率の温度変化
温度の関数として
一般に,物質の抵抗率は温度によって変化することが知られています。$0\punit{\DegC}$ のときの抵抗率を $\rho_0$ とすると,$t\punit{\DegC}$ における抵抗率は,
$$\rho=\rho_0(1+\alpha t)$$
で表されます。式中の $\alpha$ は $1\punit{\DegC}$ の温度上昇に対する抵抗率の増加の割合を表し,温度係数と呼ばれる定数です。

金属でできている抵抗器は,$\alpha>0$ であり,温度が上昇するほど抵抗値が上がります!
非オーム抵抗
抵抗で起こること
抵抗に電流が流れると,抵抗の温度は上がりますか?下がりますか?
これはイメージからもすぐにわかると思いますが,上がります。ジュール熱が発生するためですね。
すると先ほど説明したように,抵抗率が上昇するため,抵抗値も大きくなります。「電流が流れると抵抗値 $R$ が変化してしまう」ので,電流の大きさ $I$ と電圧 $V$ が比例しなくなります。
非オーム抵抗
このような,$I-V$ グラフが直線とならない抵抗を 非オーム抵抗 と呼びます。

白熱電球などが代表例ですね。
さて,この非オーム抵抗では電流の値によって発生するジュール熱が変化し,抵抗値が変化してしまいます。
しかし,電流の値が決まれば発生するジュール熱も決定され,抵抗値も定まります。抵抗値が定まれば,$V=RI$ の関係式から電圧が決定できますね。
こうして得られる電流 $I$ と電圧 $V$ の関係を示した曲線を 特性曲線 と呼びます。
非オーム抵抗の問題の解き方
手順
非オーム抵抗の問題の解き方は以下の手順でokです!
非オーム抵抗の電圧を $V$,電流を $I$ と設定する
必ず「非オーム抵抗の電流と電圧」を文字でおいて下さい。回路全体の電流やらある抵抗の電圧やら,別のものを文字で設定しないように!
$I$ と $V$ の関係式(☆)を求める
だいたいの場合はキルヒホッフの第二法則になります。Step1で設定した電流や電圧を使って回路の情報を求めていき,立式すればokです。
与えられた特性曲線と☆の交点を求める
$I$ と $V$ は,☆の関係式も満たし,さらに特性曲線も満たすので,どちらも成立させる点(つまりグラフの交点!)を求めます。
☆は直線で表されることが大半なので,グラフに直線をかき込んで交点を求めればokです。
格子点になるはず
なお,交点の座標が読み取れないと答えの数値が求まらないため,交点は格子点になることが大半です(そうでないと問題が解けません)。求めた交点が格子点でなければ「どこかで間違ったな…」と考えて解きなおすのがよいでしょう。過去に格子点以外の交点を目分量で読み取って答えるという入試問題が出題されたこともあるので,必ずではありませんが…。
問題へのアプローチ
例題
それでは,例題で問題の解き方を確認していきましょう!
例題
図のような特性曲線を持つ白熱電球と,抵抗値がそれぞれ $10\punit{\Omega},\,5.0\punit{\Omega}$ の抵抗器 $\rmR_1,\,\rmR_2$,起電力が $3.0\V$ の電池 $\rmE$ を接続して図のような回路をつくった。十分に時間が経過した後に,電球に流れる電流 $I\A$ およびかかる電圧 $V\V$ を求めよ。
電球に流れる電流を図の右向きに $I$,かかる電圧を $V$,抵抗 $\rmR_2$ に流れる電流を右向きに $i$ とする。
キルヒホッフの第一法則より,抵抗 $\rmR_1$ に流れる電流は右向きに $I+i$ であることに注意すると,回路の状況は次図の通りに整理できる。
キルヒホッフの第二法則より,
$$V=5.0i,\quad 10(I+i)+V=3.0$$
が成立するので,これを整理して,
$$10I+3V=3.0$$
この関係式を $I-V$ グラフにかき込むと右図の通りになる。特性曲線との交点を読み取って,
$$I=0.18\A,\quad V=0.4\V$$