複合コンデンサー
分割する!
平行平板コンデンサーの極板間に,金属や誘電体を挟むことがあります。
このような場合には,「いつもの形のコンデンサー」に分割して考えるのが定石です。

具体的な例を見ながら確認していきましょう!
金属を挟むとき
まずは金属が挟まれた場合です。

金属は表面のみに電荷が分布するという性質がありましたね!
コンデンサー内部に挟み込んだ場合も同様で,左右の表面のみに電荷が分布します。表面以外には電荷が分布しないため,細い導線として考えても変わりがありません。
よって次図のように,2つの平行平板コンデンサーに分割することができます。
挟まれる金属が細い金属板であっても同様です。細い金属板でもやはり左右の面に電荷が分布しますので,2枚の金属板に分けて考えればokです。
誘電体を挟むとき

誘電体を挟む場合も分割して考えるのが基本です。
ただし,誘電体の表面に金属板をくっつけてから分解する必要があります。誘電体は必ず両側が金属板で挟まれた状態にしましょう。
なお,誘電体が縦に中途半端に挿入された場合には,極板自体を分割します。次図の通りですね。
いずれの場合も,「知っている形の平行平板コンデンサー」の組み合わせになっていることが確認できます!
例題
電気容量が $C$ の平行平板コンデンサーの極板間に,以下のそれぞれの方法で金属や誘電体を挿入した。コンデンサーに起電力が $V$ の電池を接続した際に,左側の極板に蓄えられる電気量を求めよ。
考え方
コンデンサーの電気容量は,$C=\varepsilon\mskip 6mu\bun{S}{d}\mskip 5mu$ によって与えられます。極板の面積 $S$ に比例し,極板間距離 $d$ に反比例していますね。
よってたとえば $S$ が $2$ 倍になると,$C$ も $2$ 倍になることがすぐにわかります。
同様に,$d$ が $3$ 倍になると,$C$ は $\Bun13$ 倍ですね。
このような「面積や極板間距離が変わった際の電気容量を求める」という手順は頻出ですので,暗算でパッと計算できるように慣れておきましょう。
(1) の解き方
次図の通りに2つのコンデンサーに書き換えて考えます。
この際,各コンデンサーの極板間距離はもとのコンデンサーの $\Bun13$ であるため,電気容量は $3C$ となります。
これらのコンデンサーを合成した際の合成容量を $C\prime $ とすると,
$$\bun{1}{C\prime }\mskip 5mu=\mskip 4mu\bun{1}{3C}\mskip 5mu+\mskip 4mu\bun{1}{3C}\mskip 5mu\qquad\therefore \quad C\prime =\mskip 4mu\bun32C$$
として計算できます。よって,このコンデンサーに $V$ の電圧をかけた際に蓄えられる電気量は,
$$C\prime V=\mskip 4mu\bun32CV$$
となります。
(2) の解き方
次図の通りに2つのコンデンサーに書き換えて考えます。
この際,下側のコンデンサーは,極板の面積がもとのコンデンサーの $\Bun12$ であるため,電気容量は $C_2=\mskip 4mu\bun12C$ となりあます。
上側のコンデンサーは,面積が半分になった状態で誘電体が挟まれているため,電気容量は $C_1=\mskip 4mu\bun12\varepsilon_rC$ となります。
これらのコンデンサーを合成した際の合成容量を $C\prime $ とすると,
$$C\prime \prime =C_1+C_2\qquad\therefore \quad C\prime =\mskip 4mu\bun12(1+\varepsilon_r)C$$
と計算できます。よって,このコンデンサーに $V$ の電圧をかけた際に蓄えられる電気量は,
$$C\prime \prime V=\mskip 4mu\bun12(1+\varepsilon_r)CV$$
となります。