一様電場
金属板を用いて
2枚の金属板を用意し,これを距離 $d$ だけ離して平行に配置したとしましょう。
右側の金属板に $+Q$,左側の金属板に $-Q$ の電荷を与えると,$+Q$ の電荷から湧き出た電気力線が $-Q$ の電荷に吸収されていきます。
電気力線は左向きになりますので,金属板の間の電場も左向きになることがわかりますね。
このとき,金属板が十分に大きければ,どの場所でも電場の大きさが等しくなります。
このような電場は,一様電場と呼ばれています。
どの位置でも,電場の向きも大きさも同じ(一様)になります。
.png)
一様電場における電圧
電位差の考察

2枚の金属板の電位差(つまり電圧!)について考えてみましょう。
右向きに $x$ 軸を設定し,電場の大きさを $E$ とします。電場は左向きですので,$E(x)=-E$ ということになりますね。
グラフの考察
これの $-1$ 倍である $E$ が電位のグラフの傾きですが,位置 $x$ によらない一定値です!つまり,グラフは直線になるわけですね。
このことを踏まえてグラフをかくと,上図の通りです。グラフから,
$$\varDelta V = dE$$
の関係が成り立つことがわかりますね。

一様電場における電場と電圧の関係を表すとても重要な式です!
この形で覚えればよいのですが,教科書ではなぜか「電圧を $V$ とかく」という慣習があります。

以前も述べましたが,これが非常にややこしいんですよね…。
電位差 $\varDelta V$ も電圧として $V$ の文字が使われてしまうので,
$$V = dE$$
という式になります。こちらの方がよく見る形ではあるので,こちらの形で覚えましょう。
しかし「$V = dE$ の式の $V$ は,電位ではなく電圧を意味する $V$!!」ということを強く意識しておくことが重要です。
一様電場と電圧の関係
一様電場の強さを $E$,距離 $d$ だけ離れた 2 点間の電圧を $V$ とすると,
$$V = dE$$
が成り立つ。
例題
平行平板コンデンサーの2枚の金属板に,それぞれ $+Q$,$-Q$ の電荷を与えると,金属板の間に大きさが $E$ の電場が生じた。金属板の距離を $d$ として以下の設問に答えよ。
$+Q$ の電荷を与えた金属板から $\bun{d}{3}\mskip 5mu$ だけ離れた図の $\rmA$ 点と,$-Q$ の電荷を与えた金属板から $\bun{d}{3}\mskip 5mu$ だけ離れた図の $\rmB$ 点の電位差 $\varDelta V$ を求めよ。
$\rmB$ 点から $\rmA$ 点まで $+q$ の電荷を運ぶのに要する仕事を求めよ。
(1) の解き方
$\rmA$ 点と $\rmB$ 点の間も一様電場となっていますので,一様電場の公式が使えます。
$$\varDelta V =\mskip 4mu\bun{d}{3}\mskip 5mu \cdot E =\mskip 4mu\bun{dE}{3}\mskip 5mu$$
でOKですね。
(2) の解き方
一様電場中に $+q$ の電荷をおくと,電場と同じ向きに $F = qE$ の静電気力を受けます。
放っておくとこの力によって左向きに電荷は加速してしまいます。
では,$\rmA$ 点から $\rmB$ 点に向かってゆっくりと電荷を運ぶためにはどうすればよいでしょうか…?
右向きに $F = qE$ と同じ大きさの力 $f$ を加えればOKですね。
この力 $f$ は,電荷を右向きに引っ張りながら $\frac{d}{3}$ だけ移動させるので,
$$W = f \cdot\mskip 6mu\bun{d}{3}\mskip 5mu =\mskip 4mu\bun{qEd}{3}\mskip 5mu$$
だけ仕事をすることがわかります。
(2) の別解

あるいは,エネルギーに注目して考えることもできます。
$\rmA$ 点は $\rmB$ 点よりも $V$ だけ電位が高いので,位置エネルギーも,
$$\varDelta U = q\varDelta V =\mskip 4mu\bun{qEd}{3}\mskip 5mu$$
だけ高くなります。
電荷を $\rmA$ 点から $\rmB$ 点まで運ぶと,$\varDelta U$ だけ位置エネルギーが増加するわけですが,これは「仕事をしてもらったから」にほかなりません。
仕事をしてもらった分だけ位置エネルギーが増えているはずですので,求める仕事は $\varDelta U$ に等しくなります。