点電荷による電位
点電荷を用いて
点電荷 $Q$ の周りの電位について考えます。この電荷から $r$ だけ離れた位置の電位は,
$$V=k\mskip 6mu\bun{Q}{r}\mskip 5mu$$と表されます。
基準(電位が $0$ となる位置)は無限遠方に取っています。

まずはこの式を確実に覚えてください!
電場の式と混ざりやすいですが,向きを持たないスカラー量で,分母は $r^2$ ではなく $r$ です!
点電荷による電位
点電荷 $Q$ から $r$ だけ離れた位置における電位 $V$ は,
$$V=k\mskip 6mu\bun{Q}{r}\mskip 5mu$$
$Q<0$ の場合もこの式でokです。電位に向きはありませんが,正負の符号はあるので気をつけてください。
電位のグラフ
原点に電荷 $Q$ がおかれている状況で,$x$ 軸上の電位を表すグラフはどうなるでしょうか?
$r$ は原点からの距離であり,$|x|$ に等しいことを踏まえると,$V=k\mskip 6mu\bun{Q}{|x|}\mskip 5mu$ のグラフの概形は図の通りであることがわかります。
このグラフは,周囲に正の電荷をおいた際に受ける力を考える際,坂道としても利用できるので形をしっかりと覚えておきましょう。
万有引力との関連
ところで,電位の基準は無限遠方に取っています。これって,万有引力の考え方と似ていると思いませんか?
点電荷の受けるクーロン力と万有引力に大きな類似性があったように,万有引力と電位にも大きな類似性があります。
図のように,質量が $M$ の物体と $+1$ の物体がおかれているとき,$+1$ の質量の物体が持つ位置エネルギーは,
$$U_{\rmG}=-G\mskip 6mu\bun{M\cdot1}{r}\mskip 5mu=-G\mskip 6mu\bun{M}{r}\mskip 5mu$$です。
静電気力について,「$+1$ の電荷が持つ位置エネルギー(つまり電位!)は?」と問われたら,力の向きが反対なので符号も反対となることに注意すれば,
$$V=k\mskip 6mu\bun{Q}{r}\mskip 5mu$$であることがスムーズに類推できるのではないでしょうか。
点電荷による電位の導出
丸暗記にならないために
点電荷のまわりの電位の式を導出してみましょう。そのためにはまず,電場から考えていきます。
図のように,原点に $+Q$ の電荷がおかれているものとします。
位置 $x (>0)$ における電場は,その位置の単位電荷が受ける力に等しいので,クーロンの法則から,
$$E=k\mskip 6mu\bun{Q}{x^2}\mskip 5mu$$であることがわかりますね。
電位の導出
電場が求まりましたので,これを利用すると電位を求めることができます。
$\varDelta V=-\displaystyle\int_{x_0}^{x_1}E\dx$ の式に代入すると,
$$\begin{aligned}\varDelta V&=-\int_{x_0}^{x_1}k\mskip 6mu\bun{Q}{x^2}\mskip 5mu\dx\\&=-\left[-k\mskip 6mu\bun{Q}{x}\mskip 5mu\right]_{x_0}^{x_1}\\&=k\mskip 6mu\bun{Q}{x_1}\mskip 5mu-k\mskip 6mu\bun{Q}{x_0}\mskip 5mu\end{aligned}$$
が得られます。
万有引力の位置エネルギーについて考える際と同様に,無限遠方($x_0\to\infty$)を基準に取れば,位置 $x_1$ の電位が
$$V=k\mskip 6mu\bun{Q}{x_1}\mskip 5mu$$として求まります。$x_1$ を $x$ に書き換えることで,
$$V=k\mskip 6mu\bun{Q}{x}\mskip 5mu$$として位置 $x$ の電位が得られます。
$x<0$ の場合

$x<0$ の場合は注意が必要です!
向きに注意すると,電場が $E=-k\mskip 6mu\bun{Q}{x^2}\mskip 5mu$ と表記されることがわかります。符号が逆なので,電位 $V$ も, $$V=-k\mskip 6mu\bun{Q}{x}\mskip 5mu$$ です。
よって,$x>0$ の場合と $x<0$ の場合をまとめて表記すると,
$$V=k\mskip 6mu\bun{Q}{|x|}\mskip 5mu$$となります。
$|x|$ は「原点からの距離」ですので,$r=|x|$ とすれば,
$$V=k\mskip 6mu\bun{Q}{r}\mskip 5mu$$という表現になりますね。