球面鏡とレンズの違い
鏡の扱い
このセクションでは,鏡の扱い方について確認していきます。
レンズと非常にごちゃごちゃになりやすい話ではあるのですが,基本的な考え方は同じです!

写像公式と似たような式も出てきますが,こちらも丸暗記は不要です…!
「暗記」になる部分が少しでも少なくなるよう,レンズの話と比較しながら丁寧に確認していきましょう。
凹面鏡
性質の確認
まずは凹面鏡について考えていきます。球の一部で,名前の通り「凹」の形をした鏡です。
内側に丸みを帯びているわけですね。
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この鏡に光を当てると光は当然反射されるのですが,内側に集まってくるということは想像しやすいのではないかと思います。

「光を集める」わけですから,凸レンズと似た役割をしていますよね。
凸レンズはレンズ奥の焦点に光を集めますが,凹面鏡は鏡の手前の焦点に光を集めます。
レンズと異なり,鏡の焦点は1つしかないので注意しましょう。また,鏡の中心と球の中心を結ぶ直線を主軸と呼びます。
光源をおく
では,レンズの場合と同様に,鏡の手前に光源をおくとどのような像ができるのかを確認していきましょう。
光源から出た光は鏡によって1点に集まりますが,2つの光に注目してこの位置を求めていきます。
まずは「① 主軸に平行な光」についてです。この光は反射された後,鏡の焦点を通るはずですね。
「② 鏡の中心で反射される光」は,主軸について対称的な方向へと反射されます。この2つの光の交点が,像の位置になります。
上図のように鏡の手前に光源をおいた場合,① と ② の交点の位置に倒立実像ができることがわかりますね。
凸面鏡
性質の確認
凹面鏡と同様に球の一部であり,光源側に「凸」な形をしているのが凸面鏡です。
こちらも形状から想像しやすいかと思いますが,光が広がるように反射する役割を持っています。

「光を広げる」ので,凹レンズと似た性質を持っていますね。
光の広がり方は,「鏡の奥の1点から放射状に広がるかのような向きに進む」という決まりがあります。この点が凸面鏡の焦点になります。
焦点は鏡の奥にしか存在しないので気をつけてください。性質はやはり凹レンズと対応していますね。
実際に平行な光を入射した際の様子は次図の通りです。
光源をおく
では,凸面鏡についても光源から出た光の振る舞いについて確認していきましょう。
やはり注目するのは「① 主軸に平行な光」と「② 鏡の中心で反射される光」の2つです。
① の光は,上で確認した性質の通り,鏡の焦点から直進してきたかのような方向へと進んで行きます。
一方,② の光は凹面鏡と同様,主軸について対称的な方向へと反射されます。
これを図示したのが次図ですが,反射された光が交わりませんね…!
ということで,鏡の奥に延長して考える必要があります。
①,② の光を延長することで,鏡の奥に交点 $\rmP$ が見つかります。反射された ①,② の光は,いずれも $\rmP$ 点から直進してきたかのように広がります。
鏡の手前から眺めると,この $\rmP$ 点の位置に光源があるように見えるため,虚像ができるわけですね。
ここの部分の考え方はレンズと一緒!
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球面鏡の式
成立する式
レンズの写像公式と同様に,球面鏡でも似た式が成立します。
形としては $\Bun{1}{a}\mskip 5mu+\mskip 4mu\bun{1}{b}\mskip 5mu=\mskip 4mu\bun{1}{f}\mskip 5mu$ なのですが,「焦点距離 $f$」「光源の位置 $a$」「像の位置 $b$」の扱いが異なります。

それぞれ対応付けながら確認していきましょう。
焦点距離 $f$
これまで説明してきたように,「光を集める」凹面鏡の働きが凸レンズに対応していて,「光を広げる」凸面鏡の働きが凹レンズに対応しています。
よって写像公式とは逆で,凹面鏡なら $f>0$,凸面鏡なら $f<0$ として考えます。
光源の位置 $a$
こちらはレンズの場合と同じ考え方でOKです。実光源なら $a>0$,虚光源なら $a<0$ とします。
つまり,$a$ は鏡手前側を正として考えるということです。
像の位置 $b$
こちらも原則はレンズの場合と同様です。実像なら $b>0$,虚像なら $b<0$ として考えます。
しかし,鏡の場合は光が反射されるので,実像ができるのは鏡の手前になります。
つまり,$b$ は鏡手前側を正として考えることになります。この向きはレンズと逆なので気をつけましょう。
球面鏡の式
物体と球面鏡の距離 $a$,像と球面鏡の距離 $b$,球面鏡の焦点距離 $f$ の間には,
$$\bun{1}{a}\mskip 5mu+\mskip 4mu\bun{1}{b}\mskip 5mu=\mskip 4mu\bun{1}{f}\mskip 5mu$$
の関係式が成り立つ。ただし,$b,\,f$ の符号は以下の通りに定める。
- 光源が実光源なら $a>0$,虚光源なら $a<0$ とする。
- 像が実像なら $b>0$,虚像なら $b<0$ とする。
- 凹面鏡なら $f>0$,凸面鏡なら $f<0$ とする。