屈折の法則の証明
平面波を用いて

ホイヘンスの原理の考え方を利用して,屈折の法則を証明してみましょう。
屈折率がそれぞれ $n_1,\,n_2$ であり,媒質中での光の速さがそれぞれ $c_1,\,c_2$ であるような媒質1,2が平面で接触しているものとします。
媒質1から $ \theta_1 $ の入射角で光が入射するものとしましょう。
光は平面波(図中のグレーの線)として考えますが,図のように光の進む向きを光線(色付きの直線)として表現します。
図の2本の光線について,時刻に注目しながら進み方を考えてみましょう。
時刻の対応を考える
左側の光線が点 $\rmA$ に到達した瞬間,右側の光線は点 $\rmB$ に到達しています。
右側の光線が点 $\rmB$ から境界面上の点 $\rmC$ に到達するまでにかかる時間を $t$ としましょう。
この時間の間,左側の光線は点 $\rmA$ から媒質2中へと進んでいきます。
この広がりを素元波として表現すると,上図のような,点 $\rmA$ を中心とする半径 $c_2t$ の円になりますね(速さ $c_2$ で $t$ の時間だけ広がるため!)。
今回は2本の光線で考えていますが,実際には $\rmA\rmB$ 間に存在する他の光線もあるわけです。これらの光も境界面に達すると,素元波として円形に広がりますが,$\rmA$ に近いほどより早く境界面に到達するため,素元波の広がりも大きくなります。
これらの素元波の包絡面が新しい波面となる,というのがホイヘンスの原理でした。
上の図に濃い色で表した直線が包絡面ですね!
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この直線が媒質2中へと進んでいく新しい平面波の波面です。この直線に平行な面として平面波が媒質2中へと進んでいきます。
光線での表現
これを光線で表現してみましょう。先ほど考えた波面に直行する直線になるので,次図の通りですね。
図の通りに点 $\rmD$ を取ると,
$$\rmA\rmD=c_1t,\ \rmB\rmC=c_2t$$
となっています。
これまでの話から,屈折という現象が起こるのは「各媒質中を伝わる波の速さが異なるため」であることがわかりますね!
図形的な議論
さて,図をさらに整理して入射角 $ \theta_1 $ と屈折角 $ \theta_2 $ を図中にかき込んでいきましょう。
入射角も屈折角も,境界面の法線方向から測った角度であることに気をつけると,上図の通りになります。
ここで,$\triangle\rmA\rmB\rmC$ と $\triangle\rmA\rmD\rmC$ に注目してみましょう。辺 $\rmA\rmC$ が共通していますね。
さらに,$\rmB\rmC$ の長さが $c_1t$,$\rmA\rmD$ の長さが $c_2t$ であることがわかっていますので,それぞれの三角形に注目すると,
$$\rmA\rmC=\mskip 4mu\bun{c_1t}{\sin\theta_1}\mskip 5mu=\mskip 4mu\bun{c_2t}{\sin\theta_2}\mskip 5mu$$
が得られます!
真空中の光の速さを $c$ とすると,$c_1=\mskip 4mu\bun{c}{n_1}\mskip 5mu$,$c_2=\mskip 4mu\bun{c}{n_2}\mskip 5mu$ ですので,これを代入して整理することで,
$$n_1\sin\theta_1=n_2\sin\theta_2$$
が得られます。
長かったですが,屈折の法則を導くことができましたね!
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ここまでの一連の流れはしっかりと「自分の言葉で説明できるように」理解しておきましょう!
反射の法則の証明
例題を用いて
反射の法則の証明は,例題として考えていきます。
屈折の法則の証明をうまく利用すると速やかに理解できますので,少し時間を取って考えてみてください。
例題
反射の法則を証明せよ。
解き方
屈折の法則との違いを考えます。屈折は境界面の先の媒質(媒質2)に進んでいくのに対して,反射は境界の手前の媒質(媒質1)に戻ってきますよね。
つまり,これまで考えていた「屈折の法則の話の図」を,境界面に対して折り返すことで,同様に考えることができます。
今回考える反射では,反射された光が進むのは媒質1の中であり,その速さも $c_1$ です。

ここが先ほどの屈折と異なる点ですね。
点 $\rmA$ で反射された光が点 $\rmD$ に達するまでの時間は $t$ ですので,$\rmA\rmD$ の長さは $c_1t$ です。
$\triangle\rmA\rmB\rmC$ と $\triangle\rmA\rmD\rmC$ に注目して,$\rmA\rmC$ を2通りで表すことで,
$$\rmA\rmC=\mskip 4mu\bun{c_1t}{\sin\theta_1}\mskip 5mu=\mskip 4mu\bun{c_1t}{\sin\theta_2}\mskip 5mu$$
が得られます。これより,$\sin\theta_1=\sin\theta_2$ であることから,$\theta_1=\theta_2$ が得られますね。
これは「入射角と反射角が等しい」ことを意味していますので,反射の法則が導けたことになります!
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