観測者が動くことによる振動数の変化
観測者の動き
音源から波長 $\lambda$ の波が届くとき,観測者が動かなければ受け取る音の振動数は $\fp =\mskip 4mu\bun{c}{\lambda}\mskip 5mu$ です。
では,観測者が音源に向かって速さ $u$ で近づく場合はどうなるでしょうか。
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受け取る波の個数
時間 $t$ が経過する間に観測者が受け取る波の数を考えます。観測者が静止している場合であれば,振動数 $\fp $ の音が届くので,時間 $t$ の間に $\fp t$ 個の波を受け取ることになりますね。
一方で,観測者が音源に向かって速さ $u$ で動く場合,$ut$ だけ音源に近づくことになるため,より多くの波を受け取ることができます。具体的には,この $ut$ の幅の領域に含まれる波を追加で受け取れることになります。
振動数の計算
波1つあたりの幅は $\lambda$ ですので,$ut$ の幅の中には $\Bun{ut}{\lambda}\mskip 5mu$ 個だけ波が含まれています。
よって,観測者が時間 $t$ の間に受け取れる波の数が $\fp t+\mskip 4mu\bun{ut}{\lambda}\mskip 5mu$ であることがわかりますね。
観測者が受け取る音の振動数は,単位時間あたりに受け取る波の個数に等しいので,
$$f_3=\mskip 4mu\bun{\fp t+\mskip 4mu\bun{ut}{\lambda}\mskip 5mu}{t}=\fp +\mskip 4mu\bun{u}{\lambda}\mskip 5mu=\mskip 4mu\bun{c+u}{\lambda}\mskip 5mu$$として求めることができます。
観測者が音源から遠ざかる向きに速さ $u$ で動くときは,$f_3$ の式において $u\to-u$ として,
$$f_4=\mskip 4mu\bun{c-u}{\lambda}\mskip 5mu$$ですね。
このように,観測者が動くことにより,単位時間あたりに受け取れる音波の個数(つまり振動数)が変化します!
音源も観測者も動く場合
速度の設定

これまでの話のまとめです!
音源も観測者も動く場合を考えますが,速度の正の向きを設定して符号付きで考えていきます。
「観測者が音源を見る向き」を速度の正の向きとし,音源の速度を $v$,観測者の速度を $u$ としましょう。
まず,音源の動きに注目して波長を求めます。音源は観測者から遠ざかっているので,
$$\lambda=\mskip 4mu\bun{c+v}{c}\mskip 5muf_0$$ですね。
続いて,観測者の動きに注目して単位時間あたりに受け取る波の個数を考えます。観測者は音源に近づく向きに動いており,受け取る波の個数は増えるので,
$$f=\mskip 4mu\bun{c+u}{\lambda}\mskip 5mu=\mskip 4mu\bun{c+u}{c+v}\mskip 5muf_0$$として,「観測者が受け取る音の振動数 $f$」が得られます。
覚え方
この $f=\mskip 4mu\bun{c+u}{c+v}\mskip 5muf_0$ は公式として覚えましょう!
合言葉は「音がした」です!
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「音がした」とき,観測者は音源の方を向きますが,これが速度の正の向きです。
また,「音がした」ですので,「音源の速さ $v$ が分数の (分母)」に現れていますね。
これで覚えておけば,速度の向きで混乱することも,$v$ と $u$ の分子分母を逆にする間違えもなくなるはず!
ドップラー効果の公式
観測者が音源を見る向きを速度の正の向きとし,音源の速度を $v$,観測者の速度を $u$ とする。
音源の音の振動数を $f_0$,音速を $c$ としたとき,観測者の受け取る音の振動数は,
$$f=\mskip 4mu\bun{c+u}{c+v}\mskip 5mu\,f_0$$
で与えられる。
問題での練習
公式を使いこなすために
公式を確認したらあとは使いこなす練習です!いろいろなパターンについて,公式を使ってみましょう!
例題
振動数が $f$ の音を出す音源がある。音源と観測者が以下のように動くとき,観測者に届く音波の波長 $\lambda$ および振動数 $\fp $ を求めよ。ただし,音速を $c$ とする。
観測者が音源を見る向き,すなわち左向きを速度の正の向きとする。ドップラー効果の公式より,
$$\fp =\mskip 4mu\bun{c}{c-v}\mskip 5muf$$
ドップラー効果の公式より,
$$\fp =\mskip 4mu\bun{c-u}{c+v}\mskip 5muf$$
速度の正の向きが右向きとなることに注意する。ドップラー効果の公式より,
$$\fp =\mskip 4mu\bun{c+u}{c}\mskip 5muf$$
ドップラー効果の公式より,
$$\fp =\mskip 4mu\bun{c+u}{c-v}\mskip 5muf$$